2023 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性高分子の側鎖集合が拓く制御自己組織化システム
Project/Area Number |
23H02008
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺島 崇矢 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70452274)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 両親媒性高分子 / 両親媒性ランダム共重合体 / 自己組織化 / セルフソーティング / ミクロ相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、親水性基と疎水性基を側鎖にもつ両親媒性ランダム共重合体や交互共重合体を用いて、その「側鎖の集合」を鍵とする自己組織化システムを開発し、水中におけるミセルなどの会合体の精密構築、動的セルフソーティングと共自己組織化の制御、バルク/薄膜状での微細ミクロ相分離構造(ラメラ, シリンダー等)の構築、さらには、これらの集合構造制御を利用して機能材料創成を目指す。R5年度はまず、水中での精密な自己組織化の実現を目指して、組成分布のない両親媒性交互共重合を新たに設計し、水中での自己組織化を検討した。この交互共重合体は分子量分布を含むにも関わらず水中で単分散ミセルを形成し、そのサイズ分布は組成分布を含むランダム共重合体ミセルよりも明確に狭くなった。このように、組成分布をなくすことで精密な自己組織化を実現できることを見出した。また、PEG系共重合体ミセルは温度応答性を示す特徴をもち、テラヘルツ分光法によりミセルの水和量との関係を調べたとこころ、ミセルの水和量の減少とともに曇点が低くなることがわかった。また、動的な会合挙動を示すランダム共重合体ミセルを架橋点に用い、自己修復性や選択的な接着性を示すハイドロゲルの創出にも成功した。さらに、カチオン性高分子・共重合体は、バルク状で水蒸気アニール処理をすると、側鎖の相分離により5 nm以下のドメイン間隔をもつラメラ構造を形成し、そのドメイン間隔を0.1 nmレベルで制御できることを見出した。さらに最近、水がその親水性層にインターカレーションした構造をもつポリマー材料の創出し、相分離構造の制御も可能であることを見出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
R5年では、すでに自己修復性や選択的な接着性を示すハイドロゲルの創出や相分離構造の精密制御する手法を見出すなど、当初の計画以上の進展が見られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、当初の計画以上に進展しており、2年目も計画の通り推進する予定である。
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