2023 Fiscal Year Annual Research Report
Observation of Strain in Polymer Chains Revealed by Polymer Architecture and Development of Novel Functions
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23H02011
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺尾 憲 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (60334132)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 分岐高分子 / 剛直性 / 小角X線散乱 / 放射光実験 / 相分離 / 分子間相互作用 / ナノ構造形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
①星型ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)の水中での温度誘起ナノ構造形成挙動 腕鎖が温度応答性の高い星型分岐ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(sPNIPAM)の希薄水溶液について加熱に伴う構造形成を、小角X線散乱(SAXS)、電気泳動光散乱法を用いて観測した。急加熱後のsPNIPAM水溶液について、SAXSより決定した形状因子P(q)と散乱ベクトルの絶対値qの関係より、球状粒子に特徴的な散乱パターンを解析し、粒径の均一なナノ微粒子が生成されることを確認した。ゆっくり加熱する場合と比較して、急速に加熱すると粒径分布が狭くなることから、相分離の初期過程がスピノーダル分解であることが示唆された。星型鎖の高いセグメント密度により、凝集後すぐに高濃度のナノ液滴が形成されること、そして、得られたナノ微粒子の表面が帯電するため、安定した球状ナノ粒子が形成されることを明らかにした。 ②多分岐多糖カルバメート誘導体の溶液特性解析と多分岐構造による特異的相分離挙動 剛直ならせん部分鎖からなる多分岐高分子である高度分岐環状デキストリントリス(フェニルカルバメート)(HTPC)試料を調製した。小角X線散乱(SAXS)測定と粘度測定を良溶媒と貧溶媒中で行い、溶液中の分子形態と流体力学的特性を測定した。HTPC分子は、同分子量の線状鎖よりもはるかにコンパクトであることを確認した。対応する線状高分子が広い温度範囲で酢酸メチル(MEA)に溶解するのに対し、HTPCは低温でのみ溶媒に溶解し、典型的なLCST型相図が観察された。このことからHTPCの高分子セグメントとMEA分子間の相互作用が、線状鎖とは大きく異なることが示された。これは、HTPCの分岐点付近で屈曲したらせん鎖が溶媒分子と異なる相互作用を持つためであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究室での研究、放射光実験、共同研究の進捗を含め当初の計画から大きく変わらないペースで研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに進める。実験結果に応じ臨機応変に研究方針に修正を加える。
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