2023 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on cytoskeletal protein-protein interaction induced by antitumor natural products
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23H02090
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木越 英夫 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90169839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 将人 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80511906)
大好 孝幸 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90639303)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 海洋天然物 / アプリロニン / サイトファイシン / 細胞毒性 / 合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
アプリロニンAのプローブ化を見据えた新規の合成経路開拓を行った。 1.これまでの合成法では、三置換オレフィン構築における立体選択性に問題があったので、その解決を試みた。その結果、カルボスタニル化-ヨウ素化を利用して、立体選択的に三置換ヨードオレフィンを調製することができた。さらに、根岸反応を利用して、C16位より先のフラグメントとの連結の条件検討を行い、本戦略による全合成が可能であることを示した。 2.アプリロニンAの細胞毒性発現機構解明のための新型のプローブ分子(リンカーを側鎖部末端ではなく、マクロラクトン部に連結するもの)調製のための誘導体の合成研究を行い、アプリロニンAの基本骨格を持ち、リンカー接続のための官能基を備えた重要中間体の合成を行った。 3.類似の海洋天然物サイトファイシン類は、アクチン脱重合活性と共に強い細胞毒性を有するが、チューブリンとの結合に必須であるトリメチルセリン基を持たない。そこで、この分子においてのアクチンとチューブリンに対する作用を明らかにするために、その合成研究を行った。細胞毒性に関与していると考えられるマクロラクトン部のエポキシ基の作用を明らかにするために、エポキシ基を持つマクロラクトン部の合成を行い、すでに合成した側鎖部とともに細胞毒性を検定した。その結果、側鎖部はほどんと細胞毒性を示さなかったが、マクロラクトン部は弱いながら細胞毒性を示すことが明らかになった。このことから、サイトファイシンBの細胞毒性の作用機序は、アプリロニンAと異なることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
天然物の全合成の問題点を克服する合成経路を確立するとともに、誘導体の合成を完了し、活性評価を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
プローブ分子の合成を進め、特異な細胞毒性発現機構を解明する。
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