2023 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular dissection of a rhizobial effector dependent novel symbiotic pathway in legume–rhizobia symbiosis
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23H02111
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 伸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40379285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修正 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70370921)
田淵 光昭 香川大学, 農学部, 教授 (00294637)
下田 宜司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (80415455)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 根粒菌 / ダイズ / エフェクター / III型分泌系 / 共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 世界各地の根粒菌における根粒形成エフェクターの同定・・・根粒形成を誘導するエフェクターを探索するため、日本および世界各地の根粒菌をNFR の機能が欠損したダイズ (nfr 変異体)に接種し、根粒形成するものを探索した。その結果、新たに日本のダイズ根粒菌1株がnfr 変異体ダイズに根粒を形成することを見出した。既知の根粒菌エフェクターBel2-5のプライマーを用いたPCRでは増幅が確認できなかったため、この根粒菌株はBel2-5とは異なるエフェクターを保持する可能性が示唆された。今後全ゲノム配列を解析し、エフェクター遺伝子の情報を調査する予定である。 2. マメ科植物のエフェクター標的因子の探索(Pull down法)・・・大腸菌で発現させたBel2-5タンパク質とダイズ根のタンパク質を混合してインキュベーションし、相互作用するタンパク質をPull down法にて探索した。その結果、既知の根粒形成因子を含む複数のダイズ核タンパク質が相互作用候補として検出された。今後これらの候補タンパク質とBel2-5との相互作用を詳細に解析する計画である。 3. マメ科植物のエフェクター標的因子の探索(Yeast two hybrid法)・・・Yeast two hybrid法によるBel2-5相互作用タンパク質を①ダイズcDNA、および②酵母cDNAライブラリーでスクリーニングした。その結果、ダイズ、酵母、いずれのcDNAラブラリーからもユビキチン関連遺伝子が相互作用候補として検出された。酵母cDNAからはさらにSUMO(Small Ubiquitin-like Modifier)が検出された。これらの結果から、Bel2-5は構造から予測される脱SUMO活性だけでなく、ユビキチン化/脱ユビキチン活性も有する可能性が示唆された。今後、Pull down法等で相互作用の確認を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
nfr変異体ダイズに根粒を形成する根粒菌を新たに1株発見することができた。PCR法ではこの2株はBel2-5を保持していないことが示唆されており、新規エフェクターを保持している可能性もある。今後全ゲノム配列を解析し、エフェクター候補遺伝子の抽出と機能解析により、新規根粒形成エフェクターの発見にいたる可能性も高いことから、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回あたらしく発見したnfr変異ダイズに根粒形成可能な根粒菌株については、ゲノム解析を行い、情報学的解析によりエフェクター候補遺伝子の検出を行う。検出されたエフェクター候補遺伝子については、順次遺伝子破壊株を作成し、nfr変異ダイズに接種することで根粒形成エフェクターであることを証明する。 また、これまでPull down法およびYeast two hybrid法で得られた根粒菌エフェクターと相互作用する宿主標的因子の候補については、1対1のYeast two hybrid法や、Pull down法、BiFC法により相互作用を確認する。 さらに、エフェクターによる宿主標的因子の修飾や分解を出芽酵母発現系や大腸菌発現タンパク質を用いて解析する。特にエフェクターBel2-5には脱SUMO化活性を持つと予測されるULPドメインがあり、宿主標的タンパク質を脱SUMO化することで、標的タンパク質の活性や局在、他タンパク質との相互作用を制御している可能性が考えられるため、出芽酵母発現系や大腸菌発現タンパク質を用いてBel2-5の脱SUMO化活性の検出を試みる。
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[Journal Article] Widespread <i>Bradyrhizobium</i> distribution of diverse Type III effectors that trigger legume nodulation in the absence of Nod factor2023
Author(s)
Camuel, A., Teulet, A., Carcagno, M. Haq, F., Pacquit, V., Gully, D., Pervent, M., Chaintreuil, C., Fardoux, J., Horta-Araujo, N., Okazaki, S., Ratu, S., Gueye, F., Zilli, J., Nouwen, N., Arrighi, J.F., Luo, H., Mergaert, P., Deslandes, L., Giraud, E.
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Journal Title
The ISME Journal
Volume: 17
Pages: 1416~1429
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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