2023 Fiscal Year Annual Research Report
嗜好味受容体T1Rsの栄養素受容における役割の解明
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23H02168
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
戸田 安香 明治大学, 農学部, 特任講師 (10802978)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 味覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
味覚は食嗜好性を決定する上で重要な化学感覚である。研究代表者はこれまで、霊長類や鳥類などの非モデル生物を対象とした研究を行い、嗜好味(旨味・甘味)受容体であるT1R受容体のリガンドが、動物の食性に応じて柔軟に変化してきたことを明らかにした。一方、味覚が食性に応じて変化する過程で、生体内における栄養素受容にどのような変化が生じるかは明らかでない。さらに、T1R受容体は消化管を始めとした全身の様々な組織に発現し、栄養素受容体としても機能すると提唱されているが、リガンドの動物種差を考慮した研究は行われておらず、T1R受容体の栄養素受容における詳細な役割は未解明である。 そこで本研究では、幅広い脊椎動物を対象に、1)T1R受容体のリガンド同定と食性・生息環境の関連の解明、2)T1R受容体と消化機能の共進化の検証、3)消化管におけるT1R受容体発現細胞種の同定と機能解明に取り組む。2023年度は下記に取り組んだ。 研究1)各祖先型遺伝子の培養細胞発現用プラスミドを構築し、機能解析を開始した。 研究2)消化酵素の機能解析系の立ち上げに着手した。また、食性の異なる生物種を対象に、味覚受容体遺伝子及び糖質加水分解酵素遺伝子のクローニングを開始した。 研究3)遺伝子改変魚類作製に向けて、飼育環境の整備や遺伝子改変実験の手技習得をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非モデル生物を対象とした研究を展開することで、これまで知られていなかったT1Rレパートリーの発現様式と機能を明らかにすることに成功し、原著論文として公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1)顎口類の共通祖先のT1R受容体はアミノ酸を受容しており、進化の過程でそれぞれの生物の食性や生息環境に応じて、糖やヌクレオチド等の新たな栄養源を認識する能力を獲得したと考えられる。そこで、系統学的に重要な現生種及び顎口類の共通祖先からヒトに至る進化の各段階における祖先型受容体を対象に、T1Rレパートリーの機能解析を実施することで、主要天然リガンド(アミノ酸、糖、ヌクレオチド)に対する受容能の変遷を明らかにする。 研究2)鳥類及び哺乳類を対象にT1R受容体の機能を調べ、食性との関連が認められた種を対象に、消化酵素の機能にも適応が生じているかを検証する。 研究3)マウス及びゼブラフィッシュを対象に消化管におけるT1R受容体発現細胞種の同定と機能解明に取り組む。
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[Presentation] T1R2-mediated sweet sensing in a lizard2023
Author(s)
Qiaoyi Liang, Meng-Ching Ko, Nathaniel S.R. Ng, Borja Reh, Jessica G.H. Lee, Atsuko Yamashita, Hidenori Nishihara, Yasuka Toda, Maude W. Baldwin
Organizer
European Chemoreception Research Organization (ECRO) 2023
Int'l Joint Research
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