2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of nonvesicular lipid domain component transport and significance of multi-transport systems
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23H02175
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
船戸 耕一 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (30379854)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 脂質ドメイン / セラミド / 非小胞輸送 / アシルセラミド / 脂肪滴 / 小胞体 / ゴルジ体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的を達成するために、初年度は先ず、脂肪滴の形成に関与する遺伝子と小胞輸送をブロックするsec変異との多重変異株を作製し、脂肪滴の形成が小胞輸送非依存的なセラミド輸送に関与しているか解析した。セラミドはゴルジ体へ運ばれるとイノシトールリン酸セラミド(IPC)合成酵素によってIPCへ変換される。脂肪滴がセラミドの非小胞輸送に関与するなら、sec変異単独株より強いIPC合成の低下が多重変異株で観察されるはずである。そこで、放射能標識したイノシトールを用いてIPCの合成量を解析したところ、多重変異株で著しい低下が観察されたことから、脂肪滴がセラミドの非小胞輸送に関与することが示唆された。また、申請者は以前にセラミドの非小胞輸送に関与する小胞体常在タンパク質トリカルビンが小胞体とゴルジ体の接触領域に輝点として局在することを明らかにしたので、本研究では輝点の数における脂肪滴の役割を調べた。その結果、トリカルビンの輝点の数は脂肪滴の形成に依存することが分かり、トリカルビンの接触領域へ局在は脂肪滴によって調節されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画で提案していた課題、1) セラミドの非小胞輸送における脂肪適の関与の有無、2) セラミドの非小胞輸送に関与するトリガルビンの局在解析について、いずれも予定通り解析を実施することが出来た。従って、当初の計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
トリカルビンの他に、酵母のNvj2はセラミドの非小胞輸送に関与することが知られている。そこで、次年度はNvj2がトリカルビンと共局在するかどうか調べる。また、我々はトリカルビンが小胞体、ゴルジ体と脂肪滴の3つのオルガネラが近接している領域に局在していることを見出している。従って、Nvj2が脂肪滴に局在するかどうかも調べる。さらに、Nvj2の局在をトリカルビンが調節しているかについて解析する。
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