2023 Fiscal Year Annual Research Report
How does embryonic diapause in elasmobranchs contribute to biodiversity generation? An empirical study in the marine field
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23H02237
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山口 敦子 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (10310658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古満 啓介 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 特任研究員 (30554266)
兵藤 晋 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (40222244)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 胎生 / 胚休眠 / 成熟 / エイ類 / 初期発生 / 成育場 |
Outline of Annual Research Achievements |
胚休眠(Embryonic diapause)とは、発生初期に胚の発育を停止させて妊娠期間を延長し、最適な時期に子を産むための生存戦略である。本研究では、申請者が数種の板鰓類(サメ・エイ類)が胚休眠という生存戦略を持ち、また多様な板鰓類が生息するホットスポットであることが判明した有明海を中心に瀬戸内海等の複数のフィールドで、板鰓類が生息環境に応じて胚休眠を変化させること、群集レベルで出産時期の調節に関与することを明らかにし、板鰓類の胚休眠があらゆる柔軟性をもって生物多様性創出に貢献していることをフィールドで実証することを目的としている。 今年度は、まず有明海を中心とした海域において、これまでに繁殖生態・胚休眠が未解明のサメ・エイ類を中心に生物学的データとともに生殖腺、子宮内受精卵(休眠卵を含む)、 胎仔等の採集を行った。また、交尾・受精・出産、妊娠期間、繁殖力等の繁殖生態解明に各板鰓類の卵巣と精巣の組織学的観察を行い、繁殖生態に関する基礎知見を蓄積した。種ごとの成育場の特定や競合を明らかにするための胃内容物解析を進めた。また、休眠の普遍性・柔軟性を明らかにするため、大阪湾での採集調査も開始した。加えて、フィールドデータを補完し、胚休眠の指標となる血中ホルモンの探索を開始した。胚休眠の複雑な制御メカニズム解明に向け、血液や生物試料などの必要な試料の収集にも努め、現在分析を進めているところである。今後、データを蓄積した後、解析を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は有明海および大阪湾でのアカエイ等のサンプリングが予定通りに進み、生殖腺、子宮内卵、 胎仔、血液サンプル等を採集することができ、繁殖生態とその地域差に関する一部の成果と今後の指針を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究により、懸念材料であった複数の海域でのフィールド調査やデータの収集については研究を進めるための基盤を築くことが出来たため、多くの時間を費やす大変な研究とはなるものの今後もこのまま継続したい。しかし、離れた異なる水域において、当初予想したほどの大きな水温差が見られなかったことが新たな懸念材料であるため、次年度以降、当初計画していた東京湾よりも更に離れた海域(東北や北陸等)での調査実現の可能性についても検討し、胚休眠の調節性解明に向けて研究を推進していきたい。
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