2023 Fiscal Year Annual Research Report
Testing conservation effectiveness of electric vehicles on ecological impacts of noise pollution.
Project/Area Number |
23H02243
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
先崎 理之 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (10845514)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 騒音汚染 / 交通騒音 / 電気自動車 / 生物多様性 / 緩和策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ガソリン車よりも走行時の騒音が静かな電気自動車の導入によって、地上の主要騒音源である自動車騒音による生物群集への影響をどのくらい緩和できるのかを、鳥類を対象とした野外操作実験から明らかにする。具体的には、騒音汚染による鳥類群集への影響は、ガソリン車の代わりに電気自動車を導入すればどのくらい緩和するのか、緩和の程度は交通量や走行速度、機能群に応じてどのくらい変化するのかを調べる。
研究初年度である2023年には5~9月に砂川市や苫小牧市などにおいて、舗装手法が異なる複数種類の試験道路にて、ガソリン車および電気自動車の各2車種が5㎞、20㎞、40㎞、60㎞、80㎞、100㎞で走行したときの騒音を録音した。各舗装・各車種・各速度で20~30走行以上の騒音を録音し、音量(dBA)と周波数の解析を行った。その結果、舗装手法によって音量は異なるが、どの速度でもガソリン車よりも電気自動車の方が静かなことが分かった。一方、5㎞および20㎞では電気自動車ではガソリン車よりも高音域にピーク周波数があることが分かった。
さらに、これらの音声を用いて野外実験用の騒音ファイルを作成と次年度以降の野外調査地の選定を行った。選定された調査地では、スピーカー等を用いた野外プレイバックシステムの設置と運用が可能なことを確かめた。また、いくつかの調査地では、シジュウカラ、ノビタキ等の小型鳥類やフクロウ類を対象とした昼夜の録音や目視による予備的な野外調査も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた、1)様々な条件でのガソリン車と電気自動車の走行音の録音、2)野外調査地の選定と野外プレイバックシステムの検証、3)予備的な野外調査の実施、の全てを行うことが出来たため、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ガソリン車と電気自動車の走行音の大きさの関係は概ね予想通りだったが、本年度の調査中に、走行速度や舗装の種類の他にもタイヤの種類によっても変わる可能性が浮かび上がった。そのため、次年度はこの条件も考慮して録音を進める。また、夏までに調査地を確定させ、野外プレイバックシステムを確立させる。秋には鳥類を対象とした本調査を行う。
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