2023 Fiscal Year Annual Research Report
付加体堆積岩山地における水文・地盤情報カップリングによる雨水貯留・排水特性の把握
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23H02246
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山川 陽祐 筑波大学, 生命環境系, 助教 (20611601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡壁 卓磨 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (10883663)
内田 太郎 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60370780)
大澤 光 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70839703)
江草 智弘 静岡大学, 農学部, 助教 (90829897)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 付加体堆積岩山地 / 雨水貯留・排水特性 / 地盤内センシング / 降雨流出 / 斜面崩壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
地盤内の水文プロセスとその空間的不均一性を考慮した雨水貯留・排水特性の実態解明(モデル化)を目的とし,課題Ⅰ「雨水貯留・排水特性の空間分布の実態把握」および(課題Ⅰを包括する)課題Ⅱ「雨水貯留・排水特性を規定し得る要因の把握」について,主に静岡県・大井川水系を対象サイトとして調査・検討を実施した。 課題Ⅰについては,多地点での河川流量や水質(主に電気伝導度;EC)のデータ収集を行った。そのなかで,複数の平水時の河川流量およびECを指標とした解析から,堆積岩の層理構造によって雨水の滞留時間や浸透流出経路が規定されている可能性が明らかとなった。 課題Ⅱについては,航空レーザー測量によって得られた1m解像度の高精細数値地形図(LiDAR-DEM)に基づき線状凹地および遷急線などの斜面重力変形に関する地形シグナルを詳細に判読するなどの地形解析を行った。さらに,一部の現地では地質調査や地震波探査を組み合わせることにより,重力変形の生じている斜面の内部構造の推定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は,大きな問題なくほぼ計画通り順調に進んでいる。 課題Ⅰについては,研究課題のなかで重要度の高いと考えられる層理構造が流域の雨水流出プロセスに及ぼす影響について,一定の知見を新たに得ることができた。 水文データの収集については,多地点の河川水位については,既存の観測点に加えて地点数を増設した。一部箇所では計器トラブルにより欠測が生じたが,概ね順調にデータ収集を進めている。無機金属イオン濃度などの水質の詳細分析については,順調に収集を行っている。効率的に分析を行うためにサンプリングのみ実施し,適正な環境で保管している。 課題Ⅱについては,複数の探査手法や現地調査の組み合わせにより,重力変形の生じている斜面の内部構造についてこれまでになく詳細な実証データの収集が進んでいる。 また,地形解析についても順調に実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の大きな変更は不要であり,当初の計画通り着実に研究を進めていく予定である。 初年度に引き続き上記の課題Ⅰおよび課題Ⅱについて極力多くの高品質データの取得に努めていく。 課題Ⅰについては,多地点での水位や流量などの定量的水文データならびに定性的な水文データとして水質データの取得を行う。 課題Ⅱについては,原位置での調査に基づく地質構造データの収集ならびに地形解析を進める。
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