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2023 Fiscal Year Annual Research Report

Phloem transport and the evolution of woody plants

Research Project

Project/Area Number 23H02253
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

檀浦 正子  京都大学, 農学研究科, 准教授 (90444570)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小口 理一  大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10632250)
隅田 明洋  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50293551)
EPRON Daniel  京都大学, 農学研究科, 教授 (60844305)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords師部輸送 / 13Cパルスラベリング / 進化 / 師板
Outline of Annual Research Achievements

R5年度は、植物園における多彩な樹種を利用して、樹種ごとの師部構造の違いを明らかにするための観察を行った。基本的な師部構造として単師板をもつもの、複合師板をもつものを区別し、進化系統樹の観点から比較した。師管の両端には師板と呼ばれる端壁があり,この形状が師部輸送の抵抗に大きく影響すると考えられる。師板はふるいのような形状をしており,師液を通す部分は師域と呼ばれる。師板の形状は大きく分けて2種類あり,ひとつの師板あたり師域がひとつのものが単師板,複数あるものが複合師板である。これらの師板の種類は樹種によって異なるので,複数樹種について師板を観察し,師板の種類と系統進化に関連があるかを調べた。対象とした10種の中で最も進化的に新しいハナミズキと,比較的祖先的なクスノキ科に所属するカナクギノキの両方で単師板が見られたことから,師板の種類は一方向に進化したのではないと考えられた。さらにクスノキ科から8種,ブナ科から12種を選択した(はじめの10種と重複しているものを含む)。さらに,クスノキ科の4種,ブナ科の5種について,Liesche et al., (2016)から情報を引用した。ブナ科では,科内で最も祖先的なブナ属のみが単師板を持ち,それ以外の種は複合師板を持っていた。よって,科内の最初の節で師板の種類が分化したと推測される。一方で,師域の数は系統進化と関連が見られなかったので,師板の形状が連続的に変化しているわけではないと考えられた。クスノキ科では,タブノキMachilus thunbergii以外はすべて単師板を持っていた。またタブノキは個体によって異なる師板が見られた。これは,師板の種類はひとつの種の中で複数存在し得ることを示している。また来年度のラベリングに必要な同位体測定装置の修理が完了した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

R5年度は同位体測定装置の修理に加え、師部の観察を行う予定であったが、加えて糖の抽出にも着手することができた。師部の観察については、単師板・複合師板の違いだけでなく、複合師板の中の師域の数についても考察することができ、これらについても系統進化と関連が見られなかったので,師板の形状が連続的に変化しているわけではないと考えられた。師域の数について各種の最大値を抽出すると,常緑樹の方が落葉樹に比べて大きい傾向が見られた。進化と適応について植物形質に関する新しい視点が開けたという点でも、当初の期待以上の成果が得られたと考える。

Strategy for Future Research Activity

R6年度は葉・樹皮の糖の抽出についての作業工程を確定し、樹種ごとにローディング形式を明らかにする。師板の形質についても対象種や個体を増やしていく予定である。また秋に13Cパルスラベリングを実施し、実際に師部輸送速度を計測する予定である。ラベリング後に幹からの13CO2濃度を測定する幹チャンバーの作成および、安定同位体測定装置を屋外に設置するための準備を完了する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 進化の観点における師板の観察2023

    • Author(s)
      森田瑞穂・小口理一・檀浦正子
    • Organizer
      第65回日本植物生理学会年会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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