2023 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analyses of bacterial cspC/E genes found in barley genome
Project/Area Number |
23H02354
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
今井 亮三 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, エグゼクティブリサーチャー (90291913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 健太郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (40399423)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 低温ショックタンパク質 / オオムギ / 進化 / RNAシャペロン / 共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) RNAシャペロン機能の証明 HvCSD1-3に,細菌CSPとしての機能があることを証明する.大腸菌の CSP四重変異株BX04(cspA, cspB, cspE, cspG)は10℃で生育できないが,いずれかのCsp遺伝子の発現により相捕される.そこでBX04株に,HvCSD1-3の各遺伝子を導入して,相補性によりCSPとしての機能を検討した。HvCSD1-3遺伝子を導入したBX04株は15℃での生育不全を部分的に回復することが示された。しかし大腸菌由来のCspAに比べるとその機能回復は弱いため、RNAシャペロンとしての活性は弱いものと考えられた。 2) HvCSD1-3の発現解析 オオムギ品種「スノーファイバー」ゲノムにはCSD1及び CSD3が検出される。そこでこれらの遺伝子の発現を低温ストレス環境下で調べた。RT-PCR及びリアルタイムPCRを用いて検討したところ、両遺伝子とも24時間までの低温ストレスにより誘導されることがわかった。低温耐性獲得に関連した機能を有することが推定された。 3) HvCSD1-3の機能破壊・過剰発現株の作出 HvCSD1-3の機能を解明するため,オオムギ品種「ファイバースノー」,「ニシノホシ」を材料に、HvCSD遺伝子変異体作出を行った。各遺伝子を切断するように設計されたゲノム編集酵素(CRISPR/Cas9 RNP)を茎頂組織にiPB法を用いて導入した。変異体の解析は導入当代で行い、これまでに2株の変異個体を獲得している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNAシャペロン機能の証明については、弱いながらもRNAシャペロン活性を持つことを示すことができた。 HvCSD1-3の発現解析については、低温に関しては誘導性を確認することができた。他のストレスについては順次行っていく予定である。HvCSD1-3の機能破壊・過剰発現株の作出については、ゲノム編集を使った変異体の作出が順調に進行している。一方、麦類CSD遺伝子の普遍性の検討についてはまだ着手できていないため、次年度での検討事項とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は現在進行中の研究をスピードアップして進める。また、新たに病害耐性や共生機構との関わりを解明していく。
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