2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of TSPO2-mediated cholesterol redistribution in erythroblasts required for their effective proliferation and maturation
Project/Area Number |
23H02372
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲葉 睦 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (00183179)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 赤血球 / 赤芽球造血 / 貧血 / コレステロール / コレステロール結合タンパク質 / 細胞内輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
TSPO2の細胞内分布・コレステロール分布との関係を主にマウスES細胞由来赤芽球系培養細胞(MEDEP)の正常(WT)細胞、Tspo2-/-細胞、ならびにTspo2-/-細胞にTSPO2-HAを導入した細胞(Tspo2-/-HA)を用いて調べた。 1)Tspo2-/-細胞は遊離コレステロールをを小胞体ERでエステル型(CEs)に変換し脂肪滴(LD)に貯蔵する割合が低く、多くは細胞外に失われること、TSPO2-HAの発現でこの異常は解消すること、高コレステロールマウス血清(主にHDL由来のCEsが高濃度)はWTと同程度のCEs蓄積を生じることを明らかにした。 2)MEDEP細胞にTSPO2-HAを導入・発現させると、Golgin、LAMP2、NPC1等との共在からゴルジ装置、リソソームに分布することが示された。同時にcalnexinやRab5, 7, 11等core Rabsとの近接から、各種エンドソーム、小胞体の近傍に位置することも示された。さらにclathrinやcatalaseとも近接した分布が観察された。Tspo2遺伝子をTspo2-HAに変換したMEDEP細胞でも同様の結果が得られた。TSPO2が主にゴルジやリソソームに分布し、小胞体をゴールとして、各種輸送小胞やペルオキシソーム、小胞体との間のコレステロール輸送に関与することが推定された。 3)MEDEP細胞や骨髄由来赤芽球では、TSPO2と細胞内コレステロール両者の分布の相互関連を明確に示すことは困難であった(解像度の不足、ならびに細胞質が狭く明確な分布をしめすことの困難による)。そこでTSPO2-EGFPを導入したHEK293細胞で同様の解析を実施し、それが細胞内遊離コレステロールの分布とほぼ一致することが判明したが、どの小器官が関わるかまでは見同定である。一方でCEsとは異なる分布が明らかであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.本年度の課題1の目的はTSPO2の赤芽球系細胞内分布、ならびに細胞内コレステロール分布との関係を明らかにすることである。細胞内分布については、ゴルジ装置、ライソゾームを含む複数の小器官に存在することは間違いなく、また細胞内輸送小胞への分布の可能性が示された。これはTSPO2が特定の限定された小器官ではなく複数の小器官膜に分布して、それらの間での物質転送に寄与する仮説に適合する。さらに、赤芽球系細胞での検証は困難であったが、TSPO2と細胞内コレステロールの分布にも相関が認められたことは、コレステロールがその小器官間転送の基質になり得ることを示唆している。これらからの本年度の目標への基本的な答を得ることはできた。 2.課題2は上記のような膜間転送の実証と機作の解明に向けた準備である。こちらは次年度以降に継続する課題であり、小器官膜の調製法の確立やTSPO2変異体の作製などを若干の遅れがあるものの開始している。 以上の状況から進捗状況として(2)概ね順調と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度計画の実施過程で、赤芽球系細胞/赤芽球系培養細胞の細胞内局在解析の困難さに直面した。予想されたことではあるが、コレステロールやTSPO2の分布は細胞内小器官マーカーを頼りに概要は推定できるが、細胞自体の小ささ、細胞質領域の狭さなどから厳密な結論は困難なのも確かである。そこで次年度以降では、HEK等の非赤芽球系培養細胞も活用し、概要を従来得たMEDEPや骨髄赤芽球での知見と比較しながら計画を進める。小器官膜の調製もこうした培養細胞にTSPO2等を発現させたうえで実施することが効果的と考える。 一方で、従来、マウス由来の赤芽球や培養細胞を用いている。今年度半ばから共同研究者として骨髄赤芽球細胞解析/貧血病態解析に詳しい森下啓太郎准教授が加わったので、臨床現場での臨床検体の活用/貧血病態に関連づけた解析を同時に進め、TSPO2機能・役割の普遍性検証につなげて計画全体の活性化に努める。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Membrane skeleton hyperstability due to a novel alternatively spliced 4.1R can account for ellipsoidal camelid red cells with decreased deformability.2023
Author(s)
Chen, Y., Miyazono, K., Otsuka, Y., Kanamori, M., Yamashita, A., Arashiki, N., Matsumoto, T., Takada, K., Sato, K., Mohandas, N., and Inaba, M.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 299
Pages: 102877
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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