2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23H02390
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
室井 喜景 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80552760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永岡 謙太郎 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60376564)
近藤 大輔 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90708364)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 産後雌 / ストレス対処 / 前頭前皮質 / アドレナリン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
亜慢性的にストレスを与えることで産後雌マウスの能動的的ストレス対処行動が増加することがわかった。そこでストレス対処行動解析時の前頭前皮質のc-Fos発現を評価したところ、c-Fos陽性グルタミン酸作動性神経の数が増加することがわかった。そこで、化学遺伝学的手法を用いて前頭前皮質のグルタミン酸神経活動を亢進させたところ、強制水泳試験時の不動時間が産後雌と未経産雌で減少することがわかった。亜慢性ストレスに伴う前頭前皮質の変化を調べたところ、産後雌マウスだけでα2Aアドレナリン受容体発現量が減少することがわかった。さらにグルタミン酸神経におけるα2Aアドレナリン受容体の発現量も減少していた。そこで前頭前皮質の同受容体をノックダウンしたところ、産後雌だけで不動時間が有意に減少した。さらにα2Aアドレナリン受容体阻害薬のアチパメゾールを処置したところ、産後雌でc-Fos陽性のグルタミン酸作動性神経数が増加するとともに、強制水泳試験の不動時間が減少した。以上より、亜慢性ストレスは産後雌マウスの前頭前皮質グルタミン酸作動性神経に発現するα2Aアドレナリン受容体発現量を減少させてストレスに伴う前頭前皮質のグルタミン酸作動性神経の活動を亢進し、能動的ストレス対処行動を亢進することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに亜慢性ストレスを受けた産後雌マウスが能動的ストレス対処行動を亢進することを明らかにした。さらにこの反応は雄や未経産雌でみられないため、産後雌特有の反応であることがわかった。亜慢性ストレスを受けた結果、産後雌の前頭前皮質が変化することでストレス対処行動が変化することがわかった。より詳細に解析するために必要なツールの準備が進んでおり、予定通りに計画を実施できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
亜慢性ストレス負荷により産後雌の前頭前皮質のα2Aアドレナリン受容体の発現がどのような機序で調節されているのかをより詳細に明らかにしていく予定である。
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