2023 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム多型情報に基づくヒトの顔形状予測法の開発と人類学応用
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23H02567
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
今西 規 東海大学, 医学部, 教授 (80270461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 光 東北大学, 加齢医学研究所, 分野研究員 (50598399) [Withdrawn]
松平 泉 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (10878440)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ゲノムモンタージュ / 人類学 / 顔形状 / 機械学習 / GWAS |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは現代日本人の顔形状の3Dデータとゲノム多型データを分析し、ゲノム情報を使って顔形状を予測するソフトウエア「ゲノムモンタージュ」の開発を進めてきた。本研究では新たに1000人分の顔形状とゲノム多型データを取得し、既存データと合わせて合計3000人分のデータを用意して、予測精度の大幅な向上を図ることをめざす。さらに、自然選択圧の検出、形状小進化の要因解明、古代人ゲノムに対する顔形状予測などの人類学研究に応用する。2023年度は新たに東海大学にて顔形状測定会を開催し、72名分の顔形状データを取得した。これらの被験者について、SNPタイピングを実施してゲノム多型データを取得した。これと以前に収集したデータと合わせて、顔形状を予測するゲノムモンタージュの更新版を作成した。誤差推定を行ったところ、以前よりも若干の精度向上がみられた。このほか、被験者の皮膚色のデータを分析した。日本人を被験者とするGWAS論文から皮膚色に関連するSNPsを15ヶ所抽出し、これを用いた皮膚色予測ソフトウエアを作成した。そして、ゲノム多型データからL*a*b*空間での皮膚色を予測したところ、いずれのパラメータも予測値と実測値が正の相関を示し、ある程度の皮膚色予測ができることが判明した。以上の結果について学会発表を行った。また、分担者の所属機関である東北大学において2回の班会議を開催し、研究計画について議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
顔形状データの取得にかなりの時間と労力を要しており、被験者数を増やすことに苦労している。そこで、今後はより効率的なデータ収集方法を検討し実践したい。また、以前に購入したSNPアレイ製品に致命的な問題があることが発覚し、SNPタイピング実験を実施できない状況に陥っている。今後の研究継続が危ぶまれる事態であり、本研究はさらに遅延する恐れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を継続し、顔形状測定会を定期的に開催して被験者数を増やしていく。また、分担機関である東北大学における測定データについても解析を進めていく。 データ解析手法の改良にも取り組む。具体的には、これまで用いてきた多遺伝子スコア(polygenic score)による予測だけでなく、機械学習の技術を取り入れた形状予測に挑戦する。このほか、ゲノム情報を用いた皮膚色の予測、顔の部分形状の予測、写真を用いた形状予測などにも取り組む。
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