2023 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠と代謝を関連付ける神経細胞集団の同定と機能解明
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23H02584
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊澤 俊太郎 北海道大学, 獣医学研究院, 特別研究員(CPD) (30897632)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 神経回路 / 肥満 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「肥満の進行」と「睡眠の質の低下」が互いを加速する負のループに着目し、これを担う神経回路の特定と操作を目指す。目的を達成するため、本研究計画は以下の5つの副目的、1)対象神経の同定とRNA発現パターン解析、2)代謝および睡眠計測と並行したin vivo神経活動記録、3)遺伝子改変マウスを用いた対象神経回路の標識、4)対象神経回路の操作下での代謝および睡眠状態の測定、5)対象神経回路の操作に伴う末梢臓器の性状変化解析、に取り組む。 本年度は主に副目的1)と2)に取り組んだ。1)では候補となる神経細胞種を選定できたことに加え、対象神経にこれまで報告の無い分子発現を見出すなど計画以上の進展があった。新規分子については本課題とは独立したプロジェクトとして新たに展開可能と考えており、研究計画を準備している。副目的2)では代謝や睡眠状態の測定とパラレルに神経活動を計測するファイバーフォトメトリーシステムの構築に成功したが、レム睡眠中の脳内環境変化に伴うアーチファクトが蛍光測定値に影響することも判明し、isosbestic波長をコントール値として組み込んでの評価を進めている。対象神経へのインジケーター発現やシグナル波長帯域での計測値そのものは明瞭な結果を示した。GRIN Lensや多点電極を用いた一細胞レベルでの活動記録手法についても検討をしている。また、当初の計画よりも早く副目的3)に着手することができ、新規に作成した遺伝子改変マウスでの評価もすでに開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
副目的1)は当初の計画よりも早く完了し、かつ想定になかった新規の結果も見出すことができた。副目的2)では、システム構築に想定外のステップを必要としたがisosbestic波長をコントール値として組み込むことで問題を解決できた。計画よりも早く副目的3)にも着手でき、当初の計画以上の進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は副目的2),3)の完遂と副目的4)への着手を目標とする。
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