2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of near-infrared fluorescent probes based on novel near-infrared fluorophore scaffolds
Project/Area Number |
23H02613
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
花岡 健二郎 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (70451854)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 蛍光プローブ / 蛍光イメージング / 薬学 / 分子認識 / 生体分子 / 分析科学 / レシオ測定 / 有機化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、研究代表者らが開発した「非対称SiR類」を基礎骨格として(Chem Commun 2018)、次の3つの近赤外蛍光プローブの開発を行う。①リソソーム内pHを定量可能な蛍光プローブ、②hROSを検出する近赤外蛍光プローブ、③CA9の生細胞での発現を可視化する近赤外蛍光プローブ、の3つの近赤外蛍光プローブを開発する。これら蛍光プローブは、異なる蛍光制御原理に基づいたものであるため、これら開発を通して近赤外蛍光プローブの分子設計法を開拓し、近赤外蛍光イメージングの分野を大きく発展させることを目指す。 令和5年度は、研究項目①については、研究代表者らによって以前に報告されたレシオ型pH蛍光プローブ(JACS 2018)の分子構造を改良することで、既存の共焦点蛍光顕微鏡の励起用レーザーの波長に対応し、かつ蛍光輝度を上昇させた新たなレシオ型pH蛍光プローブの開発に成功した。さらに、本蛍光プローブをデキストランに結合させて生細胞にエンドサイトーシスさせることで、生きた細胞のリソソーム内pHを測定することに成功した。現在は、共同研究者との共同研究を通して、本蛍光プローブの有用性や新たな生命現象の観察を試みている。研究項目②については、ローダミン色素におけるフェニル基の導入によるねじれ型分子内電荷移動の制御によって、反応性の高い活性酸素種(hROS: highly reactive oxygen species)に反応して発蛍光を示す蛍光プローブの開発を行った。デザイン・合成した蛍光プローブは、hROSの中でもHClOと選択的に反応して大きな蛍光上昇を示す蛍光プローブとなった。現在、共同研究者との共同研究を通して、本蛍光プローブの生細胞への応用を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究において当初掲げた3つの近赤外蛍光プローブの開発のうち、2つの蛍光プローブについて現在までに開発に成功しており、それら蛍光プローブに関しては、現在、共同研究者と共に生体への応用に取り組んでいる。本年度は、4年計画の1年目ということで、当初の計画以上に進展しているとさせて頂いた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画としては、蛍光プローブ自体の開発に成功している、①リソソーム内pHを定量可能な蛍光プローブ、②hROSを検出する近赤外蛍光プローブ、について、引き続き、共同研究を通して生細胞への応用を行い、その有用性を検討していく。③CA9の生細胞での発現を可視化する近赤外蛍光プローブ、については、新たにデザイン・合成を始めていく予定である。
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