2023 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of host immune cells against immune evasion mechanisms by tumors
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23H02674
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
菅井 学 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90303891)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 腫瘍 / 細胞障害性T細胞 / 免疫回避 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍細胞に対する免疫反応は、腫瘍を制圧するための重要な手法であるが、腫瘍による免疫回避機構によって、がん免疫療法の奏功率が上がらないという問題がある。その改善には、腫瘍による免疫回避機構に対抗して進化した宿主免疫反応を知ることが重要であるが、その詳細は不明である。本研究では、腫瘍やウイルスによる免疫回避機構に対抗する宿主免疫反応の実態を明らかにすることを目的として様々な実験を計画している。 本年度は、腫瘍による免疫回避機構に対抗して進化したと考えられる免疫細胞を生体内で観察できるマウスと、当該細胞を生体内で取り除くことのできるマウスの作成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「腫瘍による免疫回避機構に対抗して進化したと考えられる免疫細胞」を特異的に可視化できるマウスを作成するために必要な複数のコンストラクションを完成した。コンストラクト1:Creの発現によって、高感度にマーキングできる蛍光タンパク質を発現するカセットを持ったTg作成用DNA。コンストラクト2:CD8T細胞でのCreの発現リークを極力抑制するための仕組みを導入したTg作成用DNA。コンストラクト3:他の細胞系列でのリークを極力抑えた上で、CD4T細胞特異的にCreを発現するノックインマウス作成用DNA。さらに、これらコンストラクションを用いてトランスジェニックマウスや、ノックインマウスの作成に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記3つのコンストラクトを使用して3系統のマウスを作成し、これらのマウスを掛け合わせることによって、3つのコンストラクトを持ったマウスを取得する。掛け合わせによって得られたこのマウス用いて、生体内に存在する「腫瘍による免疫回避機構に対抗して進化したと考えられる免疫細胞」がどのような免疫反応によって、どのようなタイムコースで出現するのかを様々な免疫反応モデルを用いて調べる。この細胞の発現タイムコースと病態との関連を検証する。並行して、「腫瘍による免疫回避機構に対抗して進化したと考えられる免疫細胞」を特異的に生体内から除去できるマウスも作成し、各種免疫反応において、この細胞を除くことによって起こる病態への影響を調べる。これらのデータから、生体内免疫反応におけるこの細胞の機能的意義を検証する。
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