2023 Fiscal Year Annual Research Report
Diversity in BCL2-associated B-cell lymphoma
Project/Area Number |
23H02697
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
竹内 賢吾 公益財団法人がん研究会, がん研究所, 所長補佐 (40323612)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | リンパ腫 / BCL2 |
Outline of Annual Research Achievements |
BCL2関連Bリンパ腫において、t(14;18)(q32;q21) BCL2-IGH転座陽性リンパ腫は中核をなす。ここには低悪性度の濾胞性リンパ腫や中~高悪性のびまん性大細胞リンパ腫をはじめ、subclinicalな病型や、高悪性度・難治性のdouble-hit lymphomaなど多様な病型が含まれる。これらは同一患者内で異時性・同時性に併存することがあり、クローン進化のモデル病態と言える。また、胚中心B細胞形質、t(14;18)の存在といった強い共通性があるにもかかわらず、同一病型であっても、症例間にはさらに多様性が認められる。BCL2関連B細胞リンパ腫におけるこうした症例内、症例間の多様性に関して、とくに前者は複数回の生検が行われた例に対して、シークエンス、分子病理学的手法により解析する。これらにより、BCL2関連リンパ腫の分子病態の理解につなげ、BCL2を標的とした治療開発の基礎データを提供したい。2023年度の実績概要は以下の通り。 同一患者の複数検体の遺伝子変異プロファイリングによるクローン進化の実態解明として、すでにシークエンス済みの症例の解析を進めている。 実臨床では認識されていなかった前駆細胞の探索として、「リンパ腫検体」での変異マーカーが、同一患者の「反応性リンパ節」に存在するか、及びその程度を次世代シークエンサー(NGS)等で解析し、前駆細胞を探索する。変異マーカーとして用いるものは、B細胞受容体遺伝子再構成パターン、BCL2転座の転座点配列パターン、somatic hypermutationの標的になる遺伝子のsomatic hypermutationパターン。なお、これらのいずれか一つではなく症例毎に重要性を勘案し複数の解析を組み合わせる。この目的のための検索対象症例のリストアップをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BCL2 enhancer/superenhancerの変異解析に遅延が見られるため。
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Strategy for Future Research Activity |
同一患者の複数検体の遺伝子変異プロファイリングによるクローン進化の実態解明として、すでにシークエンス済みの症例の解析をさらに進める。 BCL2 enhancer/superenhancerの変異解析について、BCL2転座陽性例における発現レベルの差異、転座陰性例における強発現の機構をBCL2 enhancer/superenhancer変異の観点から検討する。以前の研究(Tsuyama N., et al., Blood, 2017. 130(4): p. 489-500)で対象となった症例において、BCL2転座の有無、BCLタンパクの発現強度、残余検体の種類・量の観点から症例を選択し、解析系を確立する。 実臨床では認識されていなかった前駆細胞の探索として、実際の解析を進める。
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