2023 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫赤内期における遺伝子発現調節機構の解明
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23H02709
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
油田 正夫 三重大学, 医学系研究科, 教授 (90293779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 翔 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50880051)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マラリア / 赤内型 / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫赤内型ステージでのコンディショナル遺伝子ノックアウトシステムの構築:マラリア原虫赤内型における転写因子の機能を調べるため、コンディショナル遺伝子ノックアウトシステムを構築した。具体的にはネズミマラリア原虫Plasmodium bergheiのゲノムにCRISPR法でDi-Cre発現コンストラクトを組み込んだ.次に赤内型期転写因子の一つAP2-M遺伝子の両側にlox-p配列を組み込んだ.次にこの原虫をマウスに感染させ感染血液を培養し、培地中にラパマイシンを添加し標的遺伝子をコンディショナルにノックアウトした.遺伝子がノックアウトできていることをpcr法で確認した.
表現型の確認:上記の原虫の表現型を確認した.具体的にはギムザ染色により度のステージでdevelopmentが影響を受けたかを確認した.またRNA-seq法によりトランスクリプトームを解析しどの遺伝子の発現が影響を受けたかを調べた.
標的遺伝子の同定:同転写因子でChIP-seq解析を実施し標的遺伝子を決定した.またRNA-seqの結果と比較し、標的遺伝子の発現に影響が出ているかを確認した.ゲノム上の結合位置から転写因子の結合配列を予測した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今後の研究の中核となる赤内型ステージでのコンディショナル遺伝子ノックアウトシステムの構築に成功した.また転写因子の一つに関しそのノックアウト表現型、標的遺伝子、結合配列を決定することが出来た.以上のことから研究は予定通り進捗していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後他の必須転写因子についても上記と同様に、コンディショナルノックアウトによる機能解析を実施する.また転写因子が発現のピークを示すステージでChIP-seqを実施する.ChIP-seqデータから得られた標的遺伝子と、同時期のトランスクリプトーム(RNA-seq)およびATAC-seqデータとを比較しそれらが一致することを確認する.以上により、リング期からシゾゴニーまでの転写カスケードを証明し、メロゾイト形成までの全過程の転写制御を明らかにする.
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