2023 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of Bordetella parapertussis-induced paroxysmal coughing
Project/Area Number |
23H02717
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 征洋 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (90739210)
西田 隆司 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (20845200)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | パラ百日咳菌 / マウス咳モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
百日咳は特徴的な発作性咳嗽(咳発作)を主症状とする細菌性の気道感染症である。その原因細菌には百日咳菌とパラ百日咳菌が知られている。本研究課題では、パラ百日咳菌による咳発作の原因となる病原因子の同定と、その作用による宿主側の咳発作応答経路の解明を目指す。この目的のため、百日咳菌による咳発作惹起メカニズムの解析を行った申請者らの以前の研究過程で確立したマウス咳モデルを利用し、パラ百日咳菌による感染においても、百日咳菌感染と同様にマウスに咳を誘発することをあらかじめ確認した。さらに百日咳菌による咳発作誘導に関与するブラジキニン2型受容体、TRPV1イオンチャネルの拮抗阻害剤はパラ百日咳菌による咳誘導も阻害した。この結果はパラ百日咳菌が、百日咳菌と同様の経路を刺激して咳発作を惹起している可能性を示している。しかし、百日咳菌による咳発作誘導に必須の百日咳毒素はパラ百日咳菌では産生されない。そこで、百日咳毒素に相当するパラ百日咳菌の類似病原因子を探索することとした。この目的のため、ブラジキニン感受性細胞に百日咳毒素を添加すると、ブラジキニン依存的に細胞内のcAMPが上昇することを利用した。このアッセイ系をパラ百日咳菌の培養上清のイオン交換クロマトグラフィー分画に適用し、cAMPを上昇させる分画から、百日咳毒素相当病原因子として複数の分子をピックアップした。現在、それらの分子について詳細に検討を加えているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画通りに実験を進めてきたが、初期の実験結果に不備のあることが認められたため、それまでの結果を破棄して同様の実験を再度繰り返す必要が生じたため、結果として進捗が遅れる状況となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
再試験が必要な動物実験は多大な日数を要するが、確実な研究の進捗を確保するために重要項目においてのみ実験を遂行し、成果を簡略にまとめて研究全体を進める方針である。
|