2023 Fiscal Year Annual Research Report
SLFN11の分子メカニズムから解き明かすDNA障害型抗がん剤の真の作用機序
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23H02768
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村井 純子 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (60532603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 真 久留米大学, 医学部, 准教授 (10330846)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アポトーシス / SLFN11 / 複製ストレス / エピジェネティクス / DNA損傷 / 抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA障害型抗がん剤研究の歴史とともに、DNA修復研究の歴史も長く、これまで100を悠に超えるDNA修復因子が発見され、詳細な研究がなされてきた。がん細胞がDNA障害型抗がん剤に対して感受性や耐性を示す原因の多くが、DNA修復機能の差で説明されてきた中で、2012年にDNA修復因子とは考え難いSLFN11による薬剤感受性増強作用が発見された。SLFN11の機能は非常にユニークであり、類似する機能をもつ遺伝子が見つかっていない。我々はこれまでにSLFLN 11の機能や臨床的有用性に関するいくつもの論文を発表してきたが、全容解明には至っていない。本研究の目的は、SLFN11を介するDNA障害型抗がん剤の作用機序やSLFN11の発現制御因子を解明することで、DNA障害型抗がん剤の真の作用機序に迫り、薬剤耐性の克服に貢献することである。2023年度は、研究計画に基づき、臨床検体を用いてスクリーニング解析をおこなった。卵巣がんサンプルから、SLFN11陽性領域と陰性領域を組織免疫染色で同定し、tissue microdissection法を用いて、サンプル抽出しRNA-seqを実施した。結果を解析中であるが、SLFN11の発現制御に関わる転写因子やエピジェネティックレギュレーターをチェリーピックした。またSLFN11依存的に生じるアポトーシスについてのメカニズム解析をおこない、具体的な結果をえることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おもに3つのプロジェクトに分かれているが、1つに関してはスクリーニングの実験結果を得た。もう1つに関しては、論文作成中である。SLFN11結合タンパク質については、第一候補だったタンパク質で、予想していた表現系がでなかったため、計画を練り直している。
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Strategy for Future Research Activity |
おもに3つのプロジェクトに分かれているが、tissue microdissectionの実験結果を解析して、SLFN11の発現制御に関わる可能性のたかい遺伝子を絞っていく。SLFN11依存的なアポトーシスについて、論文投稿をすすめる。SLFN11結合タンパク質については、第一候補だったタンパク質で、予想していた表現系がでなかったため、別の候補遺伝子を探索し、研究をすすめる。
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Research Products
(2 results)