2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規ヒト樹状細胞発現免疫チェックポイント分子を標的とした阻害剤の開発
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23H02773
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
宇都 倫史 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10624653)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 腫瘍治療学 / 免疫抑制 / 樹状細胞 / 免疫チェックポイント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新規免疫チェックポイント分子として推察されたヒトCLEC4Aに着眼し、機能阻害抗体によるがん免疫治療法の有用性を解き明かすことで、新規DC発現免疫チェックポイント阻害剤のがん進展に対する抑制効果と作用機序を解明する。令和5年度は、以下の3項目について検討した。 (1)ヒト免疫細胞における抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体の標的細胞の解析。ヒト末梢血における免疫細胞および樹状細胞(DC)亜集団のヒトCLEC4Aの発現についてフローサイトメトリー解析で確認した。その結果、ヒト末梢血単核球におけるCLEC4Aの発現は、NK1.1+細胞やCD3+細胞と比較し、CD11b+細胞、CD19+細胞、CD11c+細胞に発現が認められ、MHC class II+細胞に発現していた。また、DCの亜集団すべてにCLEC4Aの発現が認められ、特にCD1c+cDC2において優位な高発現が認められた。 (2)抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体の相補決定領域(CDR)の解析。ハイブリドーマのRNAよりcDNAを合成し、抗体の重鎖と軽鎖の可変領域をクローニング後、遺伝子配列を解析した。その結果、CLEC4A機能阻害抗体のCRDを決定した。 (3)担がんヒトCLEC4A Tgマウスモデルにおける抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体の免疫チェックポイント阻害機能の解析。ヒトCLEC4A Tgマウスモデルの免疫細胞におけるヒトCLEC4Aの発現についてフローサイトメトリー解析で確認した。その結果、CD11b+細胞、CD19+細胞、CD11c+細胞においてヒトCLEC4Aの発現が認められた。さらに、卵白アルブミン(OVA)発現組換えマウス悪性黒色腫細胞株(B16-OVA)を用い、抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体のがん治療効果を解明した。その結果、抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体投与群ではがん増大の進展が抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題申請書の計画に従って研究の進歩が認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、以下に記載する担がんヒトCLEC4A Tgマウスモデルにおける抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体の免疫チェックポイント阻害機能の解析を進める予定である。 (1)がん特異的CTL応答増強効果、(2)がん組織浸潤免疫細胞制御効果、(3)cDC機能制御効果、(4)T細胞機能制御効果、(5)がん微小環境制御効果
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Research Products
(13 results)