2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the neural mechanism exploiting the previous knowledge in the novel situation
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23H02785
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
野本 真順 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (20636253)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | スキーマ / ヒューリスティック / 経験的思考力 / カルシウムイメージング / オプトジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
動物は、過去と現在の状況が同一でなくとも類似性を検出し、知識体系から抽出したルールや概念を用いて思考・適応する。この「経験的思考力」はニューロンリスティックとも呼ばれ、人工知能を駆動させる定式化されたアルゴリズムとは対象的な概念であり、動物が生存戦略として潜在的に利用していると考えられている。しかし、過去と現在の情報を統合して最適行動を生み出す経験的思考力がいつどのように生み出されるのかをメカニズムを示した研究はない。 本研究では、経験的思考力を生み出す神経基盤をニューロン活動レベルと神経回路レベルで因果関係をもって明らかにする。具体的には、①新旧情報の統合に必要な神経活動表現、神経回路、および神経細胞群を同定する。さらに、②人工感覚情報を非空間スキーマ細胞に人工的に連合させ、非空間スキーマ細胞の存在と機能を実証することを目的としている。 これまでに自由行動下のマウスでデータ取得を行っていたものの、数理解析の精度を高めるため、マウスを用いて、頭固定条件下で単一の匂い刺激を使ったスキーマ課題を新たに確立し、データ取得・解析を行った。 さらに、本スキーマ課題を用いて、マウス脳の特定領域に光活性型オプシンを発現・刺激することで学習可能な系を確立した。これは、感覚刺激の代用となる学習可能な人工感覚情報の系を確立したことを意味している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カルシウムイメージングとオプトジェネティクスを統合し、マウスを用いて、頭固定条件下で単一の匂い刺激を使ったスキーマ課題を新たに確立し、数理解析時にノイズの少ないスキーマ課題時のデータを取得したこと、また、本スキーマ課題に実装可能なオプトジェネティクス刺激による人工感覚情報入力系を確立したため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書が確立した人工感覚刺激入力系を用いて、スキーマ課題遂行時にスキーマ課題時のニューロン活動を記録し、2つ目の学習課題において成績が向上するタイミングで出現する細胞集団(スキーマ細胞)の神経活動表現の特徴を抽出し、行動成績と神経活動の相関性を調べ、経験的思考力との関連性を明確にする。 神経活動表現のニューロン活動を薬剤の局所投与で操作し、1日の課題中にスキーマ細胞を進化させる場合のニューロン活動の変化を計測し、情報統合のタイミングを調べる。さらに、受容体の発現制御や感度変化が、どのように情報統合を行うタイミングを制御するかを検討するため、オプトジェネティクスで神経回路の時間分解能を高め、神経活動の情報統合過程を特定し、スキーマ細胞が要される神経回路を明らかにする。
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Research Products
(5 results)