2023 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌発生微小環境としての肝細胞死を起点とした非実質細胞の細胞老化の意義の解明
Project/Area Number |
23H02894
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
疋田 隼人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20623044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 優貴 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00838047)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞特異的にアポトーシスが誘導される肝細胞特異的Mcl-1欠損マウスにおいて、肝細胞だけでなく、類洞内皮細胞やクッパー細胞で様々なサイトカイン発現の上昇を認めた。また、シングルセルRNAシーケンスレベルで細胞老化を特定する目的にSenMayo genesetが提唱されている(Dominik.S, et al. Nat Commun. 2022 16;13:4827)。慢性肝炎患者および健常ドナー患者の肝組織でシングルセルRNAシーケンスを行ったところ、慢性肝炎患者の肝星細胞および肝類洞内皮細胞では、健常ドナーと比較してSenMayo genesetスコアが高い傾向にあり、細胞老化が生じていることが示唆された。in vitroの研究では、LX-2およびTMNK-1細胞株にドキソルビシンを投与することで細胞老化が誘導されることを確認した。細胞老化を誘導したLX-2ではACTA2やCOL1A1といった線維化マーカーの発現低下を認めた。 また、高脂肪食投与マウスにおいて、非実質細胞ではGDF15などの老化関連遺伝子発現が増加していた。GDF15は分泌タンパクであり、血中濃度も測定可能である。メタボリック関連脂肪性肝疾患(MASLD)患者でGDF15を測定したところ、GDF15高値のMASLD患者は、肝発癌の発生率も高かった。多変量解析でもGDF15高値はFib-4 indexと独立した肝発がんリスク因子であった。また、GDF15高値のMASLD患者は、非代償性イベント発症率が高く、予後も不良であり、心血管イベントも高値であり、MASLD患者の病態進展に大きく関与していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体を用いた細胞老化の関与、また慢性肝疾患患者における細胞老化関連因子と肝発がんの関係について解明することができた。また、肝星細胞特異的および肝類洞内皮細胞特異的な細胞老化誘導マウスも順調に作成できており、本研究課題は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、慢性肝疾患における肝細胞死刺激を起点とした非実質細胞の細胞老化誘導機序の解明を推進する。肝細胞死刺激を起点とした慢性肝疾患モデルマウス(肝細胞特異的Mcl-1欠損マウス)の肝臓や、高脂肪食負荷マウスの肝臓および、慢性肝炎患者の肝組織を用いて、どのような細胞間情報伝達物質を介して、肝細胞に対するストレス刺激が非実質細胞へと影響するのかを検討していく。 また、非実質細胞における細胞老化が肝発癌に与える影響と機序の解明としては、肝星細胞特異的および肝類洞内皮細胞特異的な細胞老化誘導マウスを用いて研究を進める。同時にMASLDだけでなく、ほかの肝疾患も含めて肝発癌に関連するSASP関連因子の肝臓内における発現量や血清タンパク濃度とその後の肝発癌の関係を検討し、細胞老化関連の肝発がん予測因子を探索する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] GDF15 is a novel predictive marker for development of NAFLD-associated liver cancer2023
Author(s)
Shusuke Kumazaki, Hayato Hikita, Yuki Tahata, Kenji Fukumoto, Sadatsugu Sakane, Kazuhiro Murai, Takahiro Kodama, Naruyasu Kakita, Hirokazu Takahashi, Hidenori Toyoda, Goki Suda, Tomohide Tatsumi, Tetsuo Takehara
Organizer
AASLD The Liver Meeting 2023
Int'l Joint Research
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