2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exosomeエンジニアリングによる膵癌とその微小環境の改変を標的とする治療法の開発
Project/Area Number |
23H02897
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 康史 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (80343383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 哲治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10284994)
岡本 耕一 徳島大学, 病院, 講師 (60531374)
岡田 泰行 徳島大学, 病院, 助教 (60815447)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | exosome |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は最も難治性の消化器癌であるが、特に膵癌微小環境の間質線維化が薬剤送達のバリアーや腫瘍増殖のニッチとなっており、その克服が課題となる。最近、様々な細胞から放出されるexosomeが癌治療の薬物キャリアーとして注目されている。しかし、臨床への展開には特異性や効率の点で課題が残っている。本研究では、exosomeエンジニアリングにより抗線維化機能を持ち、腫瘍ターゲティング能を向上させたexosome製剤を開発し、膵癌に対し高い治療効果をもつ新規exosome抗癌治療の開発を目指すものである。 本研究では膵星細胞を標的とするVitamin A結合exosome-HSP47siRNAを作成し、フコシル化による糖鎖修飾exosomeキャリアーを併用することで腫瘍へのデリバリー効率の向上を目論む。治療効果は患者由来膵癌オルガノイド移植マウスモデルで検証し、臨床応用へ向けた基盤研究を行うことを計画している。 当該年度では、間葉系幹細胞(MSC)由来のexosomeを活用した臨床応用を目標にまずMSCからのexosomeの単離と精製手法を確立した。これにより、臨床試験にむけ安全性と有効性の高いexosomeを精製した。つぎに、exosomeエンジニアリングにより、exosomeの導入効率を増強する方法を検討として、Vitamin A修飾やフコシル糖鎖修飾などの手法を用いて、exosomeを修飾する方法を検討を行っている。これらのexosomeにsiRNAやmiRNA inhibitorを組み込み、膵癌細胞に添加することで、細胞内動態や薬剤耐性などの評価を行い、至適条件を検討している。現時点での実験結果から、exosomeが細胞内への効率的な核酸デリバリーを可能にすることが示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
exosome を用いてVA-exosome抗線維化剤とFuc-exosome抗癌治療薬の作成と各種膵癌細胞株への導入効率、抗腫瘍効果等in vitroでの機能評価を行っている。現在、最適な作成条件を検討中である。以上により、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
exosome を用いてVA-exosome抗線維化剤とFuc-exosome抗癌治療薬の最適な作成方法、条件の検討を行いこれを確立したい。その後、各種膵癌マウスモデルにより、膵臓癌局所への腫瘍ターゲッティング能や治療効果や副作用を検討する予定である。
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