2023 Fiscal Year Annual Research Report
微小環境変化により小腸免疫細胞の1細胞時空間的制御機構破綻がひきおこす疾患の理解
Project/Area Number |
23H02899
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
筋野 智久 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40464862)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 炎症性腸疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
消化管は腸内細菌抗原や食物抗原を除去しながら、過剰な免疫を抑制すると同時に免疫寛容の状態も有している。特に小腸は、多様な腸内細菌と免疫応答細胞が豊富に存在することでホメオスタシスを保っている。近年腸内細菌自身の免疫に及ぼす役割が明らかになる中、腸内細菌の代謝物の重要性、さらには腸管病変にとどまらない腸管外の病気にも関連性が見出されているが未だそのメカニズムは明らかではない。申請者は腸管における免疫細胞の1細胞レベルの時空間的解析を通じ、1細胞の局在、動態が病態により大きく変化すること、さらにその局在、動態を変容させることで炎症を抑制することに成功した。しかし、腸管を取り巻く体内、体外ミクロの環境が腸管内の免疫細胞1細胞が局在、動態を決定するかは明らかでなく、免疫細胞の時空間的制御破綻が病気の発症へ影響をあたえる機序も明らかでない。そこで、腸内細菌(代謝物)、神経伝達物質等が小腸における免疫細胞時空間的制御を行う機序を明らかにし、その制御機構の破綻が引き起こす腸管、腸管外の疾患発症機序を明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では腸内細菌によるトリプトファン代謝物と腸管炎症、臓器外の炎症の一つとして脊髄炎モデルを構築した。マウス作成が順調にいき、解析が予想以上にPositiveな結果となり終了しCell Reports誌に受理された。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は腸内細菌代謝物をより詳細に調べ、腸内細菌ー代謝物の腸管に与える影響を詳細に調べる予定である。さらに腸内細菌代謝物が神経伝達物質と共通していることも見出しており、神経伝達との関連性について適切なモデルを作成して検証する。
|
-
[Journal Article] A Roadmap for the Human Gut Cell Atlas2023
Author(s)
Zilbauer Matthias、、Sujino Tomohisa、Regev Aviv、Xavier Ramnik J.、Simmons Alison、Snyder Michael P.、Wilson Keith T.、Gut Cell Atlas Consortium、Human Cell Atlas Gut Biological Network Consortium
-
Journal Title
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology
Volume: 20
Pages: 597~614
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-