2023 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of slit diaphragm associated protein, MAGI-2, and development of a novel CKD therapeutic agent
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23H02923
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
淺沼 克彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60449064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大上 雅史 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (50743209)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ポドサイト / MAGI-2 / Dendrin / スリット膜 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎糸球体の構成細胞であるポドサイトのスリット膜裏打ち蛋白であるMAGI-2とDendrinが、生理的条件下で結合していることを見つけている。また、Dendrinは、核移行シグナル(NLS)を持ち、核移行蛋白であるが、MAGI-2が存在すると核移行が抑制されている。病的条件下ではスリット膜複合体が壊れ、MAGI-2の発現が低下し、一部のDendrinはユビキチンリガーゼNedd4-2によりユビキチン化を受けて分解するが、分解を免れたDendrinは、核へと移行し、ポドサイト障害を促進することが今まで我々の検討で判明している。今回、Dendrinの核移行のメカニズムを検討した。免疫沈降法により、Dendrinはimportin-αと結合し、核へ移行していることを見つけた。ポドサイト特異的MAGI-2ノックアウトマウスは、ポドサイト障害を起こし、慢性腎臓病が悪化し、早期に死亡してしまう。このマウスでは、Dendrinは核へ移行しており、ポドサイト障害を促進していると予想された。このポドサイト特異的MAGI-2ノックアウトマウスとDendrinノックアウトマウスを交配しダブルノックアウトマウスを作成すると、ダブルノックアウトマウスでは、生存期間が延長し、Dendrinの核移行がないとポドサイト障害が軽減することがわかった。Dendrinの核移行抑制が、慢性腎臓病の進展抑制のための治療戦略になると考え、imprtin-αの阻害物質であるイベルメクチンを、ネフローゼ症候群・巣状分節性糸球体硬化症モデルますすであるアドリアマイシン腎症マウスに投与したところ、蛋白尿と硬化糸球体数が減少した。さらに、ポドサイト特異的MAGI-2ノックアウトマウスにイベルメクチンを投与したところ、蛋白尿と硬化糸球体数が減少するだけでなく、生存期間が延長した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MAGI-2のポドサイトにおける重要な役割を解明し、MAGI-2の発現低下によるポドサイト障害のメカニズムについて詳細に解明し、J Am Soc Nephrol. 2023 ;34(7):122-1239で公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
MAGI-2やDendrinと結合する蛋白をYeast-two hybrid screeningやGST-pull downにより同定し、その中からMAGI-2、Dendrinの局在や発現に関わる分子を同定する。同定した蛋白のMAGI-2との結合部位の詳細な検討とその結合の役割を分子生物学的手法を使用して検討し、ポドサイト障害に関係する分子や、保護する分子について蛋白構造解析を行い、機能を制御する低分子化合物の同定を試みる。
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