2024 Fiscal Year Research-status Report
霊長類腎臓病学:霊長類モデルとヒト組織を用いた霊長類特異的腎障害修復機構の解明
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23K27616
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳田 素子 京都大学, 医学研究科, 教授 (70378769)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築山 智之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任准教授 (60612132)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 霊長類 |
| Outline of Annual Research Achievements |
げっ歯類腎臓病モデルに基づく新薬候補が臨床的な有効性を示すことは稀だが、その一因はヒト腎臓病とのギャップである。例えば、げっ歯類の腎虚血再灌流モデルは急性腎障害モデルとして頻用されているが、その組織障害はヒト急性腎障害で見られる組織障害よりもはるかに重度である。また、様々な腎臓病において炎症応答は重要な因子だが、マウスモデルにおける炎症応答は、ヒトの病態における炎症応答とは極めて相関が低いことも報告されている。さらに遺伝性腎疾患の中には、該当遺伝子の欠損マウスがヒトの病態を模倣しないものも多いが、これはマウスとヒトの遺伝子配列の一致度が低いことに起因する。本課題では、霊長類に特異的な腎障害修復メカニズムを解明する「霊長類腎臓病学」を提案する。具体的には、カニクイザル腎臓病モデル(遺伝子改変モデル・手術モデル)を確立し、シングル核解析を用いてマウスモデルおよびヒト腎臓病組織と比較し、霊長類特異的な変動遺伝子を同定する。さらにヒトiPS細胞由来腎オルガノイドを用いて同分子の機能やシグナル伝達機構を解析することで、霊長類特異的腎障害修復メカニズムを解明する。本年は、カニクイザル腎臓病モデルの経時的シングル核RNAseqにより疾患腎の主要細胞集団、細胞間相互作用、遺伝子発現ネットワークなどを同定した。さらにヒト組織を用いて、カニクイザルモデルで同定した分子の発現を解析した。加えて、ヒトiPS細胞由来腎オルガノイドを用いたこれらの分子の検証を開始している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
WPI-ASHBIの支援を受けることで、シングル核RNAseq解析が順調に進み、また組織解析でも明確な結果が得られたため、当初の計画以上に進行した。
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| Strategy for Future Research Activity |
カニクイザルモデルで見出した病態を制御する分子群の役割をヒトiPS細胞由来腎オルガノイドを用いて検証するとともに、ヒト腎臓病組織での発現解析を完了する。
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| Causes of Carryover |
当初予定していた解析費用について、WPI ASHBiのファシリティを活用することで、より安価に実施することが可能になったため。
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