2023 Fiscal Year Annual Research Report
The physiological and evolutionary significance of the limited site and timing of hematopoietic stem cell development
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23H02941
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
横溝 智雅 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80590314)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / 造血システム / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血システムは、造血幹細胞を頂点とした階層性を有している。まず、造血幹細胞から分化能力が限定された種々の造血前駆細胞が作られ、さらにこれら造血前駆細胞から機能の特化した成熟血液細胞(赤血球、白血球など)へと順々に分化していく。一方、胎児期では、この階層構造の逆向きの形で血液細胞があらわれてくる。最初に赤血球が生まれ、つづいて能力が限定された造血前駆細胞が観察され、最後に造血幹細胞が検出される。なぜこのような逆向きの形で血液細胞が順に発生してくるのかは、造血発生のパラドックスとも呼ばれ、長い間解明されていない謎のひとつとなっている。本研究は、造血幹細胞の発生のタイミングを操作し、造血システムの発生がなぜこのような形なのかを探ることを目的とする。以下の3つの課題が進行している。 ① 「造血幹細胞の発生を早めた場合の造血システムへの影響(Evi1強制発現の影響)」初期のデータでは、ROSA-Evi1マウス(ヘテロ接合体)によるEvi1の強制発現により、胎児が貧血になることが分かっていた。今回さらにホモ接合体を作製しEvi1発現を増加させたところ、貧血はさらに重度となり、胎生致死となった。この結果は、早すぎる造血幹細胞の誘導は、造血システムの形成に悪影響を及ぼす可能性を示唆している。 ② 「造血幹細胞が発生しない場合の造血システムへの影響(Evi1欠損の影響)」造血幹細胞の発生が阻害されることが予想されるVav-iCre :: Evi1 flox/- マウスの作製に向けて交配をすすめている。 ③ 「造血幹細胞の進化的起源について(Evi1発現の獲得起源について)」Evi1エンハンサー候補欠損マウスを3種類作製し、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画は、3つの課題、① 造血幹細胞の発生を早めた場合の造血システムへの影響、② 造血幹細胞が発生しない場合の造血システムへの影響、③ 造血幹細胞の進化的起源について、で構成されているが、①③についてはほぼ計画どおりに研究がすすめられている。②については、マウスの交配が当初の予定どおりに進んでいないが、大幅な遅れではない。
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Strategy for Future Research Activity |
① 造血幹細胞の発生を早めた場合の造血システムへの影響(Evi1強制発現の影響) 貧血が重度となり、胎生致死となったROSA-Evi1マウス(ホモ接合体)を中心に解析をすすめていく。造血幹細胞からの赤血球の供給が間に合わないために貧血になった、との仮説のもと研究をすすめる。 ② 造血幹細胞が発生しない場合の造血システムへの影響(Evi1欠損の影響) 引き続き、造血幹細胞の発生が阻害されることが予想されるVav-iCre :: Evi1 flox/- マウスの作製に向けて交配をすすめる。 ③ 造血幹細胞の進化的起源について(Evi1発現の獲得起源について) 作製した3種類のEvi1エンハンサー候補欠損マウスの解析をすすめる。
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