2023 Fiscal Year Annual Research Report
細胞系譜に着目したiPS細胞由来間葉系幹細胞の基盤的研究
Project/Area Number |
23H03028
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池谷 真 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (20442923)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊岡 やよい 京都大学, iPS細胞研究所, 特定助教 (20360597)
上谷 大介 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (30462675)
本池 総太 京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(PD) (80881292)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では動物由来成分を含まない(ゼノフリー)条件下でiPS細胞から均質・大量の誘導MSC(induced MSC, iMSC)を複数種類作製する方法を開発する。iMSCの中間細胞としては、従来から起源細胞といわれている中胚葉細胞(体節中胚葉細胞、側板中胚葉細胞、側板中胚葉経由肢芽細胞)以外に、頭部神経堤細胞と体幹部神経堤細胞を加えた、5種類の発生系譜の異なるiMSCを作製する(①5種類のiMSCの誘導)。また、iMSCの特性として、分化能、増殖能、遊走能、形態、遺伝子発現などを解析し、比較する(②iMSCの特性解析)。さらにこれらの特性を、生体(骨髄、脂肪、臍帯、歯髄)由来MSCと比較する(③生体由来MSCとの特性比較)。 本年度に実施した研究成果については下記の通りである。 ①5種類のiMSCの誘導:中間細胞として頭部神経堤、体幹部神経堤、体節中胚葉を誘導し、凍結ストックを作製した。また、これら3種類の細胞からiMSCを作製し、凍結ストックを作製した。 ②iMSCの特性解析:系譜の異なるiMSCの特性解析として、iMSCの分化能、増殖能、遊走能、形態、網羅的遺伝子発現の解析を開始した。具体的には、分化能として骨・軟骨・脂肪細胞への誘導能を化学染色(アリザリンレッド染色、アルシアンブルー染色、オイルレッドO染色)により検出し、細胞の形態としてセルソーターによるFCS、SCSによる解析を実施し、網羅的遺伝子発現解析としてバルクのRNAシーケンスを行った。また、細胞の遊走能としてスクラッチアッセイの立ち上げ準備をした。全て手技的には問題なく立ち上がっており、2024年度の本格解析に向けて順調に研究を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予定していた「①5種類のiMSCの誘導」については、目標としていた3種類の細胞の中間体およびiMSCの誘導と凍結ストックを作製することができた。また「②iMSCの特性解析:系譜の異なるiMSCの特性解析」についても、2024年度以降の本格解析に向けて実験手技の確立に成功した。よって計画通り順調に研究が進展していると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は計画通り「①5種類のiMSCの誘導」「②iMSCの特性解析:系譜の異なるiMSCの特性解析」を継続して進める。
|