2023 Fiscal Year Annual Research Report
Liquid biopsy-driven treatment stratification for HPV-related oropharyngeal cancer
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23H03055
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
猪原 秀典 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00273657)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / 中咽頭癌 / リキッドバイオプシー / 低侵襲治療 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
circulating tumor HPV DNA (ctHPVDNA) クリアランスプロファイルに基づく個別化治療は、HPV関連中咽頭癌患者を対象に治療前ベースラインおよび治療中にリキッドバイオプシーを行ってデジタルPCRでctHPVDNAを絶対定量し、そのクリアランスパターンに応じて治療強度を放射線単独60 Gy、放射線60 Gyと高用量シスプラチン併用、放射線70 Gyと高用量シスプラチン併用に層別化する多施設共同第2相臨床試験である。プロトコールを作成して、大阪大学医学部附属病院未来医療開発部データセンターと契約しデータマネジメント業務を依頼した。100 mg/m2の高用量シスプラチンを用いることから本臨床研究は特定臨床研究に該当するが、承認後、2024年6月ごろより患者登録を開始する見込みである。 ctHPVDNA に基づく再発サーベイランスは、ctHPVDNAを指標にすることで画像検査や内視鏡検査よりも先行して再発・転移を検出できることを検証する多施設共同前向き観察研究であるが、ctHPVDNAの社会実装を考慮するとデジタルPCRでctHPVDNAを定量することは現実的ではない。そこで、別の手法で半定量する検討を行った。2024年度中に患者登録を開始する予定で準備を進めている。 HPV関連中咽頭癌が放射線高感受性である機序の解明を目指して、先ずはオルガノイドの作製に着手し、cancer tissue originated spheroid (CTOS)法によるオルガノイドの作製に成功した。また、生検検体を用いてcytometry by time of flight (CyTOF) 技術を応用したimaging mass cytometryを行って40種類以上の抗原を同時検出し、免疫細胞を網羅的に解析する手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多施設共同第2相臨床試験については特定臨床研究に該当し、その体制の整備に時間を要した。多施設共同前向き観察研究については、デジタルPCRに代わるctHPVDNAの検出法の検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
多施設共同第2相臨床試験については大阪大学、大阪国際がんセンター、大阪労災病院の3施設で登録を進める。多施設共同前向き観察研究については、プロトコールを作成するとともに参加施設のリクルートを行い、2024年度中の登録開始を目指す。オルガノイドについては継代のための条件を最適化し、ライブラリー化を進める。また、CyTOF技術を応用したimaging mass cytometryを進め、免疫細胞を中心とした腫瘍微少環境と腫瘍の臨床的特性との相関について解析を進める。
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