2023 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管内皮細胞の再生と誘導による革新的皮膚抗老化治療の開発
Project/Area Number |
23H03064
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
秋田 新介 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00436403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池原 譲 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (10311440)
三川 信之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40595196)
山本 一夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (20174782)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | リンパ管新生 / リンパ管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度に線維化したヒトリンパ浮腫皮膚における毛細リンパ管周囲での細胞間接合構造の変化を確認し、高度線維化病変においてはリンパ管内皮及び周囲細胞の微小構造を観察する必要性があることを明らかにした。超微小構造の観察のため、光学的な手法の他、電子顕微鏡を用いた手法による観察の有用性について検証した。 マウスを用いたリンパ管新生観察モデルを確立すべく、皮下リンパ節郭清によるマウス後肢リンパ節郭清モデルを用いて、リンパ管新生と浮腫の変化を蛍光造影、超音波検査を含めたマルチモーダルな評価を行い、リンパ管新生の観察に最適な手法を検証した。安定したリンパ浮腫の確立と浮腫体積の経時的な変化が想定通りに得られることを観察し、病理学的な変化を確認した。病学的な変化の観察においては、機能的な評価、体積変化の程度と連動した検証を行い、リンパドレナージ機能を反映する組織学的な所見を確認した。 さらに、週齢、外科的処置、リンパ管新生を促す因子の導入を用いた複数のモデルを使用して、介入後の経過における変化を観察、組織学的に確認することによってリンパ管新生を促進/抑制する因子を明らかにするべく、データを蓄積している。一連の研究により、リンパドレナージ機能の変化並びに組織学的な変化を客観的に評価することが可能となったため、様々な介入の間での比較検討が可能になりつつある。加齢による変化と、リンパ管新生を最適に誘導する手法について現在検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に十分に評価手法の検証を行ったため、次年度以降の評価の計画の見通しが明確になった。一方で、当初の加齢性変化のみならず、マウスの因子や介入の因子によってさまざまリンパ管新生に影響を与えうる事項が明らかになってきた。このため、本研究の主題であるリンパ管の新生を生む出す最適な手法を確立することには変わりはないが、加齢のみならず、様々な条件下でのリンパ管新生の誘導も併せて検証することで応用範囲が広く、臨床に将来有用となりうる研究が実行可能であると考えるに至った。次年度からの計画では、生体においてリンパ管新生とリンパ流の回復を阻害する因子と、その環境下にあったリンパ管新生を誘導する手法の研究に広く取り組む計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトにおいては、慢性リンパ浮腫、高度線維化組織において、リンパ管内皮細胞及び周囲間質における変化を適切に評価し、治療介入や加齢も含めた経時的な変化について観察、分析を行っていく。 ヒトにおいては組織学的な検証には限界があることから、介入や加齢に伴う変化については実験動物においてさらに詳細な検証を進める。マウスリンパ浮腫モデルにおける各種治療介入におけるリンパ管新生とリンパ流の回復について非侵襲的、侵襲的、組織学的、各種方法を用いて評価を行う。加齢のみならず、様々なリンパ管新生阻害環境におけるリンパ管新生の誘導と機能の回復について検証と分析を行い、リンパ管新生が有効に作用する病態を広く模索する。 最終的には加齢や疾患といった臨床における課題をリンパ管新生によって克服することが目標であるため、観察する事象にもトスク有効性とと臨床への橋渡しを行った際の有用性の双方について十分に検証を行い、研究の方向性をさらに推進していく。
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