2023 Fiscal Year Annual Research Report
Predicting and Optimizing the Effectiveness of Positive Emotion-induced Analgesic Care
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23H03185
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kawasaki City College of Nursing |
Principal Investigator |
掛田 崇寛 川崎市立看護大学, 看護学部, 教授 (60403664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 宏一 関西福祉大学, 看護学部, 講師 (70781699)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 疼痛 / 鎮痛効果 / 情動 / 看護ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は成人を対象に、痛みに対する看護的鎮痛ケアの一時的緩和効果を対象者の情動状態から予測し、鎮痛効果を誘導するための最適化について解明することである。看護実践で用いられる鎮痛目的の看護ケアの最も有利な点は、非侵襲的で且つ安全であり、簡便に用いることができることから臨床での有用性が高い。また、本研究で解明を試みる情動状態を基にした看護的鎮痛ケアの効果発現予測の検討は、臨床での看護ケアの理論的構築に寄与するだけに留まらず、疼痛看護学に資するエビデンスを提示できると考える。2023年度の研究においては看護ケアによる痛みに対する効果を実証する上で重要な研究指標の検討と、その絞り込みをおこなった。また、本研究では身体的指標、精神的指標、行動的指標を組み合わせて検証をおこなうことから、各指標について吟味をかさねた。具体的には、日々刻々と変化する情動状態と痛覚反応を把握するために、複数の心理テストを駆使するほか、生体における受容反応(痛覚閾値や痛覚潜時、炎症性サイトカインの一つであるインターロイキン-6やサブスタンスP等のバイオマーカー、唾液中クロモグラニンAなどの生体内ストレス物質、痛みに伴う経時的変化を捉えるための指尖脈波、心拍変動、皮膚電気抵抗といった各計測、主観的痛覚強度等を組み合せて実験系の構築をおこなった。さらに、本研究を遂行するにあたって先行的に実施した、予備検討研究の結果についても英文誌での公表を念頭に投稿原稿を年度末までに書き上げて、次年度に公表できるように準備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗については既に本実験に用いる指標の検討については終えている。また、看護ケアによる一時的疼痛緩和手段の予備検討結果についても投稿用原稿にまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度以降については、令和5年度に検討してきた実験系を基に研究を遂行していく方針である。また、鎮痛ケアの最適化にむけて、実際に用いる各指標が妥当か否かについても研究開始の初期段階で判別する。その上で、今後計画・構想していく研究や実際の患者での検証にむけて、研究としての精緻化をはかっていきたい。
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