2023 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の転倒予防プログラムの開発:歩行中の瞬時の姿勢制御能力向上に着目して
Project/Area Number |
23H03235
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤木 亮太 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (20581458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 浩祐 筑波大学, 体育系, 助教 (00835746)
山本 紳一郎 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30327762)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 姿勢制御能力 / 関節パワー / 関節角速度 / 関節可動域 / 骨格筋の質・量 |
Outline of Annual Research Achievements |
要支援・要介護の高齢者の減少に向け,転倒リスクの低減,とりわけ,転倒しかけた際の瞬時の姿勢制御能力の向上が重要である.本研究では,高齢者における歩行中の瞬時の姿勢制御能力に対する関節運動の要求項目(絶対的/瞬間的な強さ・素早さ・柔軟性)とその決定要因(骨格筋の量・質)を特定する.そして,関節運動の要求項目を強化するためのトレーニング介入により,歩行中の瞬時の姿勢制御能力及び決定要因を向上させるトレーニングプログラムを開発する.上述の決定要因は,実際に力を発揮することなく,容易に取得可能なことから,要支援・要介護の高齢者の歩行中の瞬時の姿勢制御能力を,簡便に推定できることが期待される.将来的には,要支援・要介護の高齢者も自宅・介護施設で日常的に実施可能な,自重負荷のトレーニングプログラムに転換することで,大規模展開を目指す.
2023年度は,適応的歩行評価システムの故障に伴い,実験を計画通りに進めることができなかった.また,システム回復後も,こちらの想定通りに動くか試すことが多かったことから,高齢者を対象とした実験は,関節運動と筋の質・量の評価を中心とし,適応的歩行評価システムを活用した実験は,主に若年者を対象として進めた.現在,2023年度取りためた実験データを解析中で,それと並行して,今年度実施予定の,高齢者を対象とした実験を実施するための準備を進めている.2024年度中に,2023年度取得したデータを論文化し,投稿することを計画している.当該データに関する学会発表は,学会開催時期を踏まえ,2025年度実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」にも記載の通り,適応的歩行評価システムが長らく故障している状況が続き,その修理及び動作確認に時間がかかったことが一番の理由である.現状,問題は解消され,実験を実施できる状況となったので,遅れを取り返すつもりで実験を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,2023年度に取得した若年者のデータの論文化を進める.並行して,高齢者を対象としたデータの取得に励む.具体的には,関節運動の評価が可能な高齢男女を対象に,歩行中の瞬時の姿勢制御能力を定量する.関節運動に関しては,筋力評価システムを用いて,3つの関節(股関節[伸展/屈曲],膝関節[伸展/屈曲],足関節[底屈/背屈])を対象に,4つの要求項目(絶対的/瞬間的な強さ,素早さ,柔軟性)について評価し,姿勢制御能力と最も強く関係する関節・関節運動の要求項目の組み合わせを特定する.
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