2023 Fiscal Year Annual Research Report
Multidisciplinary study on neurocompulation of communication sounds for materialization of next generation hearing aids
Project/Area Number |
23H03243
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
伊藤 哲史 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (90334812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相古 千加 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (10523889)
小野 宗範 金沢医科大学, 医学部, 教授 (30422942)
高橋 宏知 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (90361518)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Keywords | 神経回路 / 聴覚 / Brain Machine Interface |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の実験を行った。 実験1:正常聴覚及び大音響暴露CBA/Jマウスの下丘を単離し、single nucleus RNA-seqを4回実施した。うち2回で質のよいRNAを回収でき、下丘の細胞を10個以上のクラスターに分類することができた。現在in situ hybridizationを用いて各クラスターがどのような細胞種であるかを組織学的に同定しているところである。 実験2:コミュニケーション音に対する聴覚野の応答地図を計測する前に、純音に対する聴覚野の応答地図を作成し、TRIO法による神経回路の同定を進めた。すると、聴覚野はコア領域と3種類のシェル領域に分かれ、異なる神経回路を形成することが明らかになった。次年度は、シェル経路のうち、情動系との関連が深かった2領域に注目してコミュニケーション音声に対する応答を計測する予定である。 実験3:多点電極による計測の手技の確立と、記録したデータを解析するプログラムの構築を行った。また、当初予定していたNeuronexusプローブ(32ch)のかわりに、Neuropixels probe (384ch)を導入し、より多数の神経細胞からの記録が可能になっている。 実験4:まだCreマウスが作成できていないので、周辺技術の確立を行った。特に、オペラント条件づけを効率良く行うため、ケージ取り付け型のオペラント実験装置FED3を導入し、オペラント条件づけをほぼ自動化することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験1について、RNA-seqのデータが順調に獲得できている。 実験2について、フラビンイメージング、TRIO法とその解析について確立できている。 実験3について、多点電極の計測系および解析系が確立できている。 実験4について、周辺技術の確立に成功している。 これらより、初年度の研究内容についてすべて予定通り到達しており、「概ね順調」と判定した。
|
Strategy for Future Research Activity |
第2年度については以下のように実験を実施する。 実験1について、RNAseqデータの追加とともに、in situ hybridizationによる組織学的細胞同定を進めていく。 実験2について、コミュニケーション音声に対するフラビンイメージング技術を確立する。まずは麻酔下で始め、技術が確立したら無麻酔での条件を確立したい。 実験3について、Neuropixels probeを用いたコミュニケーション音声への神経活動の計測を実施する。 実験4について、オペラント条件づけを完了した動物からのNeuropixels probeによる記録を行い、動物の判断が神経コーディングに与える影響について検討する。
|