2023 Fiscal Year Annual Research Report
Identify neural mechanisms for flexible control of motor habits
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23H03293
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 祥 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (80720672)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 線条体 / 神経活動イメージング / 習慣動作 / 手続き記憶 / シーケンス |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツ科学・身体運動科学、行動神経科学において、習慣化した身体動作を修正できる神経機構の解明は重要な研究課題である。代表者は習慣的動作の抑制・修正に関する神経基盤の同定実験を行い、線条体コリン作動性介在ニューロン(ChAT細胞)が習慣化した行動や動作の修正に不可欠であることを明らかにした。また、習慣化自体に重要な神経細胞群として、線条体ドーパミン受容体1型陽性ニューロン(D1細胞) の存在も明らかにした。本研究は、獲得した習慣動作はD1細胞に表象され、習慣動作を直す時にはChAT細胞がそれらのD1細胞を抑制することで動作修正が起こるという仮説に基づいて研究を進める。本年度はまず、生体内神経活動イメージングのセットアップを行った。マウスの生体内かつ行動下における神経活動イメージングを行うため、神経細胞のカルシウム動態を同定できるjGCaMP8mを線条体ニューロンに発現させ、神経活動記録を行った。マウスが実際に習慣化するシーケンス動作を行うときの神経活動イメージングを実施した結果、運動の手続き学習過程において、線条体ニューロンがシーケンス動作の神経表象を獲得していく様子を捉えることに成功した。具体的には、シーケンス動作の開始、切り替え、終止の情報をそれぞれ特異的に表象する線条体ニューロン集団が存在し、それらの神経表象は一度獲得すると安定して脳内で表現されることを突き止めた。これらの研究結果は、習慣動作の表象過程の可視化に繋がる重要知見であり、今後の生体内神経活動イメージングを用いた実験系の基盤構築に寄与する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
生体内神経活動イメージングの実験系の確立、マウス行動下における記録・解析まで研究が進んだため。また、習慣動作を表象する線条体ニューロン群の同定まで研究が進み、実験系の確立から重要な新知見の発見まで進捗がみられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
習慣動作の神経表象を獲得した線条体D1ニューロンが、習慣動作を修正する際には線条体ChAT細胞により抑制され、それが習慣動作の修正の神経メカニズムであることを示す。次年度の具体的な目標として、習慣動作を修正する際に、習慣動作を表象するD1細胞集団がどのような神経活動の変容を示すのか神経活動イメージングより明らかにする。
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