2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of sarcopenia development mediated by skeletal muscle bile acid receptors using a mouse model with human-like bile acid composition
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23H03315
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
池上 正 東京医科大学, 医学部, 教授 (40439740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60532687)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | サルコペニア / 胆汁酸 / ヒト型胆汁酸マウスモデル / 臓器相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋の量の減少と質の低下が生じるサルコペニアは、生活の質や疾病の経過に大きく影響する病態であり、その発症機序には不明な点が多い。サルコペニアが発症する高齢者や肝硬変などの代謝性疾患では,末梢血に腸内細菌の代謝から生じる二次胆汁酸が増加していることが知られている。コレステロールの代謝物である胆汁酸には、FXR等の核内受容体のリガンドとして代謝を制御するホルモン作用があり、主に腸肝循環する。また,骨格筋にはエネルギー代謝や蛋白合成の制御に関わる二次胆汁酸受容体(TGR5とVDR)が発現しているため、末梢血中の二次胆汁酸の増加が,サルコペニアの発症や進展に影響をもたらす可能性が示唆される。TGR5とVDRのリガンドとなる二次胆汁酸は、主にヒトで多くマウスには殆どない。その種差を解消するために我々が開発したヒト型胆汁酸を持つCyp2a12/Cyp2c70ダブルノックアウトマウスを用いて、本研究では、筋・腸・肝臓の多臓器連環の視点からサルコペニア発症機序を明らかにし、将来のサルコペニア予防法の開発に繋げようと試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、サルコペニアの原因と考えられるヒト型の二次胆汁酸の影響を評価するためのマウスモデルを作製するために、Cyp2a12/Cyp2c70ダブルノックアウトマウスに対して、リトコール酸、デオキシコール酸の投与を行った。投与は経口投与とし、通常のワイルドタイプマウスと比較し、低用量の胆汁酸(0.0075%)を飲料水に添加した。投与期間は、5、10、15週間とし、順次、サンプリングを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
Cyp2a12/Cyp2c70ダブルノックアウトマウスに対して投与したヒト型の二次胆汁酸の影響について、各投与期間において採取したサンプルの評価を行う。採取した骨格筋から組織標本を作製し、筋線維の大きさを組織学的に計測する。肝臓や骨格筋などにおける胆汁酸の量と組成の変化について評価する。骨格筋や肝臓のTGR5とVDRの標的遺伝子発現について、二次胆汁酸投与の影響やサルコペニアとの関連性について、評価を行う予定である。
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