2023 Fiscal Year Annual Research Report
measurement of contrast sensitivities in peripheral vision and its application
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23H03409
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 豪 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (00323832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内川 惠二 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00158776)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | コントラスト感度関数 / 周辺視 / コントラスト知覚像 / 分散レンダリング |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘッドマウントディスプレイなどの広視角の表示装置は、VR空間や遠隔地の表示において没入感を向上させ、コミュニケーションや操作における質の向上に寄与すると考えられるが、人間の視野は中心視と周辺視ではその特性が異なり、周辺視では詳細な知覚は行えないことが知られている。しかし知覚能力が視角偏心度の増大に従ってどのように低下するかの計測報告は十分になく、周辺視野への画像表示という応用に利用可能な計測が存在しなかった。特に色コントラスト知覚についての周辺視野での計測の報告はほとんどなかった。 2023年度は、これまで利用してきた周辺視野の輝度コントラスト測定用の実験環境を色コントラスト知覚閾値測定用に変更するための改修、色コントラスト知覚と輝度コントラスト知覚を分離できるよう調整する予備実験方法の習得を行いつつ、R-Gコントラストについての視野耳側の測定を試行した。 また、周辺視野領域まで考慮した、周波数、偏心度、偏心方位を引数とするコントラスト感度関数 Contrast Sensitivity Function (CSF)モデルを用いたコントラスト知覚像生成用画像フィルタの輝度版についてはこれまで提案してきたが、2023年度はそれを拡張したカラー対応版を実現するべく、色味についてのコントラスト知覚閾値判定処理を行う方法についての検討を行った。さらに、ヘッドマウントディスプレイが高視角の表示装置として実用上有力な機器であることから、高解像度のヘッドマウントディスプレイ一機種を選定し、コントラスト知覚像の評価実験への使用のための準備を行った。 また、コントラスト感度関数を考慮した中心窩レンダリングと中間処理の部分レンダリング画像の合成手法との組み合わせは容易且つ効果的であることから、グリッドコンピュータを用いた分散レンダリング手法についての研究を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
色についてのコントラスト感度関数をモデル化するために必要な計測実験を開始するための準備が順調に行えたこと。また、輝度及び色のコントラスト感度関数に基いたコントラスト知覚像生成用画像フィルタについての試作がある程度できたことから、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
視野全域を網羅するコントラスト感度関数モデルの作成にむけて、色コントラストについてのコントラスト感度関数を周辺視野領域まで含めて、4つの偏心方位について測定する。 カラー画像を対象としたコントラスト知覚像を作成するための画像フィルタを設計する。また、その画像フィルタの性能評価のためのヘッドマウントディスプレイを使った実験を実施する。分散レンダリング手法の研究を進め、中心窩レンダリングの導入準備を行う。
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