2023 Fiscal Year Annual Research Report
幾何学的データ解析手法の開発と位相的データ解析への展開
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23H03460
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
佐々木 博昭 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (80756916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 敬文 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (60334546)
本武 陽一 一橋大学, 大学院ソーシャル・データサイエンス研究科, 准教授 (80848672)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 機械学習 / 統計的データ解析 / 多様体 / 位相的データ解析 / ロバスト推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は幾何学的情報を含むデータ解析手法の開発と応用を目的としている.今年度は高次元ユークリッド空間に埋め込まれた低次元部分空間(埋め込み多様体)を定義域とする潜在変数の推定問題に取り組んだ.従来の研究では,低次元部分空間に分布する潜在変数ベクトルの非線形混合として,高次元ユークリッドデータが観測されることを仮定する.それに対して,本研究では,さらに異なる低次元部分空間に分布する潜在変数ベクトルから別のユークリッドデータが観測されることを仮定した.そして,この2つの観測データと補助データから2つの低次元潜在変数ベクトルを推定するための条件を理論的に導出した.それに加え,構築した理論をグラフ埋め込み問題へ適用し,グラフデータのリンク重みに関する条件が潜在変数ベクトルの推定に重要であることを理論的に示し,その妥当性を数値実験により確認した. その他に非規格化確率モデルの推定問題にも取り組んだ.非規格化確率モデルとは,正規化することが困難な確率モデルであり,通常の確率モデルの推定法を適用することは一般にできない.その一方で,非規格化確率モデルは,多様体を存在領域とする多様体データなどの様々な実用的な場面で現れることがあるため,重要な問題である.本研究では,従来研究とは異なり,データに混入した外れ値にロバストな非規格化確率モデルの推定法を提案した.提案法では,観測データの他に参照データを用いた対比学習によって非規格化確率モデルの推定を実現する.そして,推定法の外れ値に対するロバスト性を理論的に調査した結果,参照データも外れ値で汚染されるときに推定がよりロバストになることを示唆する理論的な結果を得た.さらに,外れ値に対するロバスト性を数値実験からも確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は今後提案するデータ解析手法の基盤を構築できたと考えており,おおむね順調と評価している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今年度の構築した研究基盤を基に多様体データの解析方法を構築する.特に,時空間データへ適用可能な解析手法を構築する予定である.また,その構築手法と位相的データ解析を組み合わせることで,他分野への応用も試みるつもりである.
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Research Products
(21 results)