2023 Fiscal Year Annual Research Report
触覚インフォマティクスを利用した魅力喚起プロセスのモデリングとその応用
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23H03482
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
野々村 美宗 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50451662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 守匡 山形県立米沢栄養大学, 健康栄養学部, 教授 (20399330)
眞山 博幸 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70360948)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 触覚 / 官能評価 / 摩擦 / 筋電位 / 心拍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、モノに触れた時の官能評価をしながら外部刺激情報と生理情報をその場測定する「その場観察/網羅型触覚センシングシステム」を用いて、ヒトがモノに触れた時にさまざまな触覚が喚起され、感情に結び付くメカニズムを俯瞰的に解析する。本年度はこの触覚センシングシステムを開発するとともに、触覚データベースを構築していくために、化粧用原料、繊維およびエラストマー素材について物性評価を行った。
1.その場観察/網羅型触覚センシングシステムの開発: 今年度は申請者らがこれまでに用いてきたフォースプレートと高速カメラからなる触覚センシングシステムに、心拍計と筋電位計を加えた「その場観察/網羅型触覚センシングシステム」を開発した。ヒトが感じる感情に関連する心理情報としては、他にも脳波・呼吸・体温等が挙げられるが、われわれが行った予備検討においては、ヒトがモノに触れた時に皮膚に加わる触刺激によってこれらの測定から得られるパラメータに顕著な変化は見出されなかった。一方で、筋電計はヒトが身体を動かしてモノに触れるアクティブタッチのプロセスでは運動の負荷に応じた応答が観察されたこと、周波数解析を用いて心拍の変動を数値化することにより、モノに触れた時の交感神経と副交感神経の働きの変化を可視化できることが示唆されたことから、これらのデバイスを組み込むこととした。
2.触覚データベースを構築するための物性評価: 来年度以後、その場観察/網羅型触覚センシングシステムによって得られる感性情報・生理情報と組み合わせてデータベースを構築するために、化粧用原料、繊維およびエラストマー素材について摩擦・力学・形状に関する物性データを測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であった「その場観察/網羅型触覚センシングシステム」を開発するとともに予備的なデータを取得することができたため。また、来年度以後にデータベースを構築するための資料の選定と物性評価におみても一定の進捗が認められたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度選定した化粧用原料、繊維およびエラストマー素材について心理・生理・外部刺激・物性情報からなる触覚インフォマティクスを構築するとともに、「個人差」の起源を探索するために魅力喚起プロセスを解析する。
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