2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23H03614
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野町 素己 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (50513256)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Keywords | マケドニア語 / ブルガリア語 / セルビア語 / ギリシャ内戦 / エーゲ・マケドニア / 社会言語学 / スラブ語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はマケドニア語標準語前史、ギリシャ内戦以後のマケドニア語分裂に関わる資料収集を行った。場所はブルガリア国立図書館、ブルガリア学士院文書館、マケドニア国立文書館、マケドニア学士院文書館、セルビア学士院文書館、ポーランド国立図書館である。ブルガリアではこれまで分析対象にならなかったマケドニア語新聞『前進!』をすべて電子化した。また、学士院文書館で19世紀末に記録されたマケドニア語方言テクストの電子媒体を入手した。加えて関連研究者(故人)の親族から未刊行の手紙類を一部提供されたが、2024年度に継続して提供を受ける予定である。マケドニアでは、チトーのマケドニア政策に関する資料を入手、またマケドニア語の父ブラジェ・コネスキーのアーカイブ、ユーゴスラビア大統領ラザル・コリシェフスキの膨大な資料、とりわけギリシャ内のマケドニア語の状況を示す資料の入手に着手した。2024年度にも作業の継続を行う。また、ポーランド国立図書館で、ギリシャ内戦以降にポーランドで刊行されたマケドニア語新聞や当時の教科書類を入手した。セルビアではマケドニア方言研究者アレクサンダル・ベーリッチの資料を収集した。加えて、ロシア学士院スラブ学研究所のスベトラナ・トルスタヤ氏から故人のトルストイ氏が保管していた未刊行のマケドニア語関係資料提供を受け、1950年代のソ連におけるマケドニア語研究の状況を分析した。これらについて国際学会報告1回、招待講演2回、論文3本(2本刊行済、1本掲載内定)の成果を出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ブルガリア、マケドニア、セルビア、ポーランドのいずれでも、現地研究者の協力も得て、資料収集は予定以上の成果を出した。また、当事者の遺族の協力を得て、公の機関で保存されている以外の独自資料も多く得ることができた。また現地調査の際に、当初予定していなかった聞き取り調査も行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降は、資料収集を継続するが、同時に資料の分析も行い、その中間報告として国際学会で2回発表する予定である。また2024年の冬には当該テーマを含む国際シンポジウムを組織して、さらに研究報告、そのあと成果の刊行を行う予定である。
|