2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Strategic Creation of Event Legacies that Contribute to Regional Development Utilizing Tourism
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23H03647
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川原 晋 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (10367047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益子 智之 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (00875362)
片桐 由希子 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (50508190)
野田 満 近畿大学, 総合社会学部, 講師 (70793909)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | イベントレガシー / 観光 / まちづくり / 地域づくり / 欧州文化首都 / ECoC / レーワルデン |
Outline of Annual Research Achievements |
観光を手段として多様な産業振興やコミュニティ形成、地域課題解決をめざす「観光まちづくり」を推進するには、公益的視点から、短期的効果に留まらない成果をめざして戦略的に取り組むことが重要である。 本研究は、行政やDMO、事業者が最も一般的に取り組む観光事業のひとつである観光イベントやツアーの開催を契機として、都市・地域に中長期的に生じる良い影響や有形無形の資産であるイベント・レガシーを戦略的に生み出すための政策論、計画論、マネジメント論を構築するものである。2023年度は、主に3つを進めた。 1つ目は、EUが指定した都市で一年間にわたり集中的に各種の芸術・文化行事を展開する「欧州文化首都(ECoC)」事業のうち、レガシー計画や予算、レガシープログラムを有し、まちづくりに繋がると考えられるボトムアップ型のプログラムを強調する都市に着目した。特に2018年にオランダのレーワルデンで行われたECoC事業を現地調査し、大規模な芸術文化イベントから生み出すことが可能なレガシー要素の抽出や、準備段階から開催年度、その後の展開までのプロセスデザインや計画論的視点での要点を整理した。 2つ目は、不便地域の観光振興の手法として地域資源活用状況と継続的なイベント実施状況、その地域へのレガシーの形成についても調査を進めている。本州を中心とした半島地域でのイベントの実施状況について調査を行った。伝統的な祭礼については調査対象外としている。 3つ目は、自然災害により社会変化が加速した衰退地域における、イベントを推進する拠点形成とそれがもたらしたレガシー(効果)について調査を進めている。2016年イタリア中部地震で被災した避暑地アマトリーチェの周辺集落において、バール利用者の行動変化と場所としての役割を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通りの海外事例調査を通したレガシー要素の抽出や、準備段階から開催年度、その後の展開までのプロセスデザインや計画論的視点での要点を整理することができた等、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
大規模イベントのレガシーの実態や研究を参照しつつ、これまで取り組みの弱い芸術文化イベントや、より小規模の観光系イベント等において、地域づくりに資するレガシーを計画的に生み出す方法、イベント開催後のフォローアップやモニタリングの方法を提示することを目標に、次のステップで研究をすすめる。 1)多様な分野・規模に対応するイベント・レガシーのカテゴリ整理 2)観光関連イベントのレガシー形成要因の深堀り調査 3)イベント形成の実証研究にもとづくレガシー・モニタリング手法の開発 4)観光地域づくりに資するイベント・レガシーの戦略的形成にむけた分野、規模、状況別の計画、政策提示
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Research Products
(12 results)