2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23H03658
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 一匡 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (10707475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江 偉華 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (90234682)
長谷川 純 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90302984)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | レーザーイオン源 / 重イオンビーム / レーザーアブレーション / 液体金属 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は液体金属標的レーザーイオン源開発に向けて液体金属によるレーザー標的を構築し, より平滑な液体表面を形成する条件を調べた. 本研究では回転するドラム内壁で液体金属標的を形成し, レーザー変位計を用いて表面変動の大きさを計測した. 液体金属標的には低融点金属であるIn-Bi-Sn合金を用い, 液体金属の温度とドラムの回転速度に対する液体表面の振る舞いの変化を調べた. ドラム内の液体に作用する遠心力と重力のバランスの違いから, 回転速度に依存して生じる液体の振る舞いとして, 次の2点が考えられる. (1) 低速回転域では, 重力によりドラム内の底に留まる液体が内壁を濡らすことで液体標的が形成される. (2) 高速回転域では,液体は遠心力によりドラム内壁に押し付けられてドラムと共に回転し, 層状の液体標的が形成される. これらのうち, より一様で平滑性の高い液体標的の形成条件を調べた結果, 回転数が高くなるほど液面の変動が抑えられて平滑な表面が実現できることが明らかになった. また, 温度を変化させて同様に液面の振る舞いを調べた結果, 遠心力よりも重力が大きい低速の回転速度領域では低温の方が表面変動が大きくなる傾向が示された. 一方で遠心力が重力よりも十分大きい高速回転速度領域では温度によらず同程度の表面変動の大きさとなった. これらの結果から, 回転するドラム内で形成した液体金属標的について, より一様で平滑な標的の形成条件を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標は液体金属レーザー標的を構築して一様で平滑性の高い液体標的の形成条件を調べることであった. 本年度の実績により回転するドラム内に液体金属標的を形成し, その表面変動が回転数が上昇するほど小さくなることを突き止めた実績により, 目標通りに研究が進展したと評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は形成された液体金属標的に対しレーザーを照射して液面の応答を観測し, 平滑な表面への回復時間を調べる. それとともに得られるレーザー生成プラズマの再現性を評価する. これらをもとに連続的にプラズマを安定供給する条件を模索する. 同時にレーザー標的部に高電圧を印加できるようなシステムを構築しレーザー生成プラズマからイオンビームの引き出し試験を行う準備を進める.
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Research Products
(2 results)