2023 Fiscal Year Annual Research Report
多様なアクション状況におけるモチベーションの形成に主体感が果たす役割の解明
Project/Area Number |
23H03703
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 観自 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (20727086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 克巳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20373409)
山本 健太郎 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (30727087)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 自己主体感 / 行為主体感 / 運動主体感 / 反応促進 / モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
行為している感覚や外界の変化を引き起こした感覚を指す自己主体感は,運動制御や機械操作といった認知行動の基盤となっている.本研究では,主体感が引き起こすモチベーションの変容過程について検討することを目的にしている.本年度は主に以下の内容に取り組んだ.
(1)ターゲット刺激に対する反応後に即時的なフィードバックが与えられると,その後の反応は促進されることが分かっている.ここでは,フィードバックの時間的近接性および予測性が反応促進に与える影響を検討した.実験では,遅延がない条件に加えて,複数の遅延条件を用意し,さらに各遅延条件をブロック内で一貫して呈示する場合とブロック内でランダムに呈示する場合を用意した.実験の結果,すべての遅延条件は,遅延なし条件に比べて反応が遅くなることが分かった.その一方で,フィードバックのタイミングを予測できなかった場合,反応がさらに遅くなることはなかった.これらの結果から,フィードバックによる反応促進はより厳格な時間的近接性によって支えられていることが示唆された. (2)アクションを多様化させたときの主体感の変調やその後の行動変容について検討するために,眼球運動計測装置を購入し,実験環境のセットアップを進めた. (3)他者との協力・非協力場面において,フィードバックが主体感に及ぼす影響の検討を行った.参加者は,自身が操作する物体の動きが,同じ目標を共有する協力者または妨害を行う非協力者によって操作されていると教示された.実験の結果,教示の内容によらず,課題の成果にポジティブなフィードバックが与えられた場合は,ネガティブなフィードバックが与えられた場合よりも主体感が高く評価された.この結果から,フィードバックによる主体感への影響は,他者の関与の仕方によらず頑健に生じることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験環境のセットアップが完了したこと,および反応促進に関する実験を複数実施することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
視線を用いた実験の準備を行い,実験を開始する.また反応促進に関する実験も引き続き継続する.得られた成果については学会や研究会で随時発表を行い,並行して論文作成を進め学術誌に投稿するなど,成果の公表に努める.
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Research Products
(4 results)