2023 Fiscal Year Annual Research Report
Pharmacokinetic analysis of antibody drug conjugate in tumor cells utilizing synchrotron soft X-ray imaging
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23H03716
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
藤井 健太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, チームリーダー (00360404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 成史 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50624912)
和田 真一 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (60304391)
権田 幸祐 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80375435)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 放射光 / イメージング / 抗体薬物複合体 / 低分子薬物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗体薬物複合体の創薬支援技術の開発を目的として、高い空間分解能を持ち、さらに官能基を選別した分光が可能な軟X線により、腫瘍細胞内の低分子薬物の動態を明らかにし、抗体薬物複合体によるがんの治療効果の最適化に資する知見を得ることを狙いとしている。 R5年度は権田および北村がこれまでに研究対象としてきた抗体薬物複合体であるトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)に注目し、広島大学のHiSOR施設を用いて放射光軟X線吸収スペクトルの測定を実施した(トラスツズマブ:HER2を標的とした抗体医薬、エムタンシン:低分子の微小管重合阻害剤)。T-DM1分子内には塩素原子が存在する。そこでこれに注目した計測の結果、T-DM分子中の塩素原子由来の特徴的な吸収ピークを見出すことに成功した。塩素はタンパク質等にはほとんど含まれないため、細胞内での局所的な分布を観測するためのターゲットとしてふさわしいと考え、T-DMと細胞の混合状態において、塩素の内殻吸収スペクトルを取得することを試みた。しかしながら実際に得られた塩素内殻吸収スペクトルには、薬剤分子由来のと思われるスペクトル構造を見出すことができなかったため、薬剤分子由来のスペクトル構造と明確に分離することができなかった。今後は塩素原子以外の元素を含む薬剤分子をターゲットにする必要がある。また、細胞内では多くのタンパク質に埋もれた吸収ピークを抽出する必要があるため、タンパク質等に含まれない元素を含んだ低分子薬物での検証が必要であることが課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広島大学のHiSOR施設を用いて放射光軟X線吸収スペクトルの測定を実施し、抗体薬物複合体由来の特徴的な軟X線吸収構造をとらえることができた。吸収ピーク強度から試料薄膜中の薬物分子の定量的な評価もできていることから、今後、放射光ナノイメージングが実現した際には分子動態を定量的に追跡できる見込みがついている。 一方で、塩素内殻吸収端近傍のスペクトルでは特徴的なピーク構造を見出すことができず、異なる薬物ターゲットを対象とする実験が必要であることが明らかになった。このように放射光イメージングに適した薬物分子ターゲットのスクリーニングができており、概ね計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を通じて発がんやがんの治療に関する研究を放射光を用いて実施する計画が進んでいる。実際にNanoTerasuを用いた令和6年度NanoTerasu戦略的支援制度の公募に課題採択され(30件の応募の中、10件の採択)、2024年度中にNanoTerasuを用いた実験を実施する予定である。 また、NanoTerasuにおける生命科学研究の予備的検討を分子科学研究所放射光施設UVSOR-IIIにおいて実施する研究プラットフォームがR5年度に立ち上がった。この枠組みを利用して、NanoTerasuのフィージビリティスタディを実施したいと考えている。 さらに抗体薬物複合体に関しては、生体内組織の構成成分に存在しない元素を含む薬物に標的を変え評価を行う。検討候補としている抗体薬物複合体は、つい最近入手が可能になり、T-DM1とは異なる官能基構造を有すことから成果が期待される。
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[Journal Article] Mitochondrial Dynamics as a novel treatment strategy for triple negative breast cancer (TNBC)2024
Author(s)
Wang Y, Harada-shoji N, Kitamura N, Yamazak Y, Ebata A, Amari M, Watanabe M, MiyashitaM, Tada H, Abe T, Suzuk T, Gonda K, Ishida T.
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Journal Title
Cancer Medicine
Volume: 13
Pages: e6987
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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