2023 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料の硬さを光で計測するための測定可能周波数帯可変ブリルアン散乱顕微鏡の開発
Project/Area Number |
23H03724
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石飛 秀和 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (20372633)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ブリルアン散乱顕微鏡 / 粘弾性 / 生体試料 / 測定可能周波数帯可変 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、測定可能な周波数帯(自由スペクトル領域、Free Spectral Range(FSR))を測定したいサンプルの固有振動数に合わせて自由に変更可能であるブリルアン顕微鏡の安定性を向上させるためのフィードバックシステムを構築した。本顕微鏡では、2枚のエタロンを独立に配置し、エタロン間の距離(空気層の厚さ)を変化させることで、FSRを制御する。それぞれのエタロンが独立しているため、時間経過に伴って2枚のエタロンの平行度が悪くなってしまい、結果S/Nが低下するという問題があった。そこで、分光スペクトルをリアルタイムでモニターしながら、エタロンを固定しているマウントの角度をピエゾアクチュエーターで制御するフィードバックシステムを構築した。具体的には、片方のエタロンのYaw角度を変化させて平行度を悪くすると、スペクトルの対称性が変化することを利用して、フィードバックを行った。その結果、フィードバックを実行しない場合、測定開始の3時間経過後にスペクトルのS/Nが著しく減少したが、フィードバックを実行した場合、スペクトルのS/Nを少なくとも9時間以上維持することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FSR調整可能ブリルアン顕微鏡において、最大の課題であった取得スペクトルの時間的安定性を確保できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
生体試料を非侵襲に測定するため、励起光の波長を現在の532 nmから785 nm変更する。それに伴い各種光学素子を近赤外用の光学素子に変更する。
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