2023 Fiscal Year Annual Research Report
力学的負荷の計測・見える化・自動識別による人工股関節挿入支援システム基盤開発
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23H03770
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
本間 康弘 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80732883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 旨章 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (70365576)
馬場 智規 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (40317459)
佐藤 太一 東京電機大学, 工学部, 教授 (50266871)
村上 祐貴 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (70509166)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 生体音響医工学 / 人工関節 / 人工股関節全置換術 / 人工知能 / 音響工学 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、人工股関節挿入時の力学的負荷計測を活用した革新的手術支援システムの基盤構築を目的とし、次の3つの項目、1)人工股関節挿入時の局所的力学的負荷環境、2)人工股関節挿入時の叩打音特性の基本原理、3)人工股関節挿入時の力学的負荷の計測・見える化・自動識別できる医療機器の要素技術、を明らかにする計画である。 2023年度においては、モデルボーンを用いた模擬手術において、ハンマリング手技に伴う被叩打物体の局所的力学的負荷指標のうち、評価に有用であると考えられる特定の指標を明らかにした。そして、実際の手術における人工股関節挿入時のインプラント叩打音を解析し、インプラントが骨に適切に嵌合された状態になった際の叩打音の音響学的特徴を明らかにした。さらには、人間の聴感に応じた音の評価指標である変動音解析により適切にインプラントが嵌合した際の叩打音の見える化を達成し、当該データを用いた深層学習によるインプラントの嵌合度合に対する自動識別アルゴリズムも開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画作成時の目標であった、人工股関節挿入時の力学的負荷指標の特定も達成し、実際の手術での叩打音の音響学的特性も明らかにした。そして、令和7年度に実施予定であった手術支援医療機器の要素技術開発も前倒しで実施することが可能であったため、順調に進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
人工股関節挿入時の力学的負荷指標の解明に関しては、引き続き模擬骨を用いた解析を継続しつつ、カダバーを活用した解析を実施していく。また、実際の手術における間接的な力学的負荷指標としての音響特性の解析は、引き続き臨床データ収集と解析を継続し、インプラントの嵌合度合いだけでなく、インプラントの挿入角度等の要素による音響学的特徴の差異も解析を行なっていく。それらの、人工関節挿入時の力学的環境の解明により得られた特徴量を用いて、より高精度な自動識別アルゴリズムの開発を行なうことで、人工股関節挿入時の手技の妥当性を自動識別できる医療機器の要素技術を開発していく。
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