2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an in vitro unlimited amplification system for human hematopoietic stem cells
Project/Area Number |
23H03773
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松岡 由和 関西医科大学, 医学部, 助教 (70533420)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 造血幹細胞 / 体外増幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、医療や再生医療の分野での応用可能性を広げることを目的とし、ヒト造血幹細胞(HSC)の体外における無限増幅法の確立を目指している。造血幹細胞は、骨髄移植などの治療において重要な役割を果たしており、これらを効率的に体外で増幅させることができれば、患者の治療選択肢の拡大や治療の効率化が期待できる。本年度の研究活動においては、特にHSCの体外増幅に有望な化合物のスクリーニングに焦点を当てた。対照群としては、これまでに報告されている化合物UM171を用いた。その結果、UM171よりもさらに効果的なCD34+CD38-細胞の維持及び増幅を実現するための新たな化合物を複数見出すことに成功した。CD34+CD38-細胞は、高い再生能を持つHSCのサブセットであり、これらの細胞を効率良く増幅させることは、骨髄移植をはじめとする様々な治療法において重要な意味を持つ。見出された化合物の中には、UM171と併用することで相乗効果を発揮し、HSCの増幅効率を顕著に向上させるものも存在した。これらの化合物により、体外でのHSCの維持及び増幅が飛躍的に向上することが期待される。また、本研究ではこれらの化合物を用いた増幅方法についても検討を加えており、最適な条件下でのHSCの増幅プロトコルの確立に向けて重要な知見を得ている。今後の研究方針としては、機械学習を活用して、これらの候補化合物の中から最適な組み合わせを見出し、さらなる効率化を図ることが計画されている。機械学習を用いることで、大量のデータから最適な条件を迅速に特定できるため、研究の加速が期待される。最終的には、見出された化合物の組み合わせを用いて、ヒトHSCを安定的に、かつclonalな増殖へと誘導することにより、体外での無限増幅法の開発を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、複数の候補化合物の組合せによるHSC体外増幅条件の最適化が進められている。今後、さらに機械学習等を用いることで詳細な条件を見つけ出す予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
真のヒト造血幹細胞の体外増幅を達成するべく、候補化合物の組合せの最適化を進める。最適化された条件下で増幅した造血幹細胞を重症免疫不全マウスに移植し、造血幹細胞が増幅されていることを確認する。
|