2023 Fiscal Year Annual Research Report
地震モーメントテンソルの非ダブルカップル成分の統計的・数値的解析研究
Project/Area Number |
23KF0013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川勝 均 東京大学, 地震研究所, 名誉教授 (60242153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROESLER BORIS 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Keywords | モーメントテンソル / 非ダブルカップル成分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「モーメントテンソル」という地震発生機構の一般的は記述に関するものである.地震を断層運動とする場合はその記述に4つのパラメター(物理量)が必要になるが,応力テンソルと相似な形式を持つモーメントテンソルは6自由度を持ち,地下での火山の爆発なども記述可能な,地球内で起きるあらゆる地震源を記述できる指標である.この二つの余分な自由度は,非ダブルカップル成分と呼ばれ,地震源が等方弾性体内における単純な平面断層運動でないことの指標となる.現代地震学では,観測される波形から,地震源を断層と限定せず,モーメントテンソル解析から震源を議論するのが一般的で有り,世界中の様々な機関が,モーメントテンソル解を決定しカタログを公開している. 研究課題としては,研究期間の短縮を受け,「グローバルカタログにあるモーメントテンソル解を使った非ダブルカップル成分の統計解析」の研究を進めた.具体的には,Kawakatsu (1991, GRL)が報告した,グローバル・モーメントテンソル解に見られる非ダブルカップル成分の地震発生機構(断層メカニズムタイプ)依存性を,その後の30年間に蓄積された膨大なカタログデータから検証することをめざした.その際,(A)三つの機関が公表しているモーメントテンソル解の非ダブルカップル成分の信頼性の評価,(B)(A)の結果として信頼性の最も高いと評価されたGlobal Centroid Moment Tensor (GCMT) Projectカタログによる検証,の2ステップの解析をおこなった. 研究の成果としては,(A)に関しては,GCMTカタログのモーメントテンソル解の非ダブルカップル成分の信頼性が最も高いことが結論され,また(B)に関しては,Kawakatsu (1991)の解析結果と調和的な成果が得られた.
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