2023 Fiscal Year Research-status Report
がん組織で機能するリン脂質スクランブラーゼの同定とその生理機能の解明
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23KF0027
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
瀬川 勝盛 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20542971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SULTAN CHERYL 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | がん細胞 / スクランブラーゼ / 細胞膜 / ホスファチジルセリン |
Outline of Annual Research Achievements |
死細胞がeat meシグナルとしてホスファチジルセリンを細胞表面に露出することが広く知られている。一方で、生きた細胞(がん細胞や活性化した血管内皮細胞、マクロファージなど)もさまざまな局面でホスファチジルセリンを露出することが知られつつあるが、その意義は不明である。本年度は、既知のスクランブラーゼを欠損したマクロファージ細胞株を樹立し、そのスクランブル活性を評価した。スクランブリング活性はホスファチジルセリン結合タンパク質であるAnnexin Vや蛍光標識したリン脂質アナログを用いた。その結果、既知のスクランブラーゼを欠損させた場合においても、スクランブリング活性が消失しない局面があることを見出した。例えば、薬剤を用いて細胞膜の膜圧を変化させたときにスクランブリングが活性化するが、これは既知のスクランブラーゼに依存しなかった。現在、ゲノムワイドのスクリーニング系を用いて新しいスクランブラーゼを同定することを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスマイクログリア細胞株を用いたスクランブラーゼ活性の評価系を樹立した。既知のスクランブラーゼを欠損させた細胞株は、細胞膜の膜圧が変化した場合にスクランブリングを活性化することを見出した。この結果は当初予期した結果ではないが、興味深い知見である。現在、ゲノムワイドスクリーニングの系を用いて新しいスクランブラーゼ分子を同定する実験を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ゲノムワイドスクリーニングの系を用いて新しいスクランブラーゼ分子を同定する実験を計画している。
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